いちご~育苗期の管理について

平素は、茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、深く深く感謝を申し上げます。

7月に入り、早いもので今年も半分が終了してしまいました。

また、昨年の今時期とは天候も大きく異なって、今年の梅雨は雨が多い梅雨となっております。雨が多いというか、線状降水帯はあちらこちらで発生し、各地に甚大な被害をもたらしております。

昔の連日シトシト降っているような梅雨ではなく、近年では局地的で尚且つ大量の雨が降る気候に変わってきてしまって、農作物の管理も難しくなってきております。

さて、そんな状況ですが

イチゴの育苗も、親株から切り離しの時期になっております。(すでに本数を確保して切り離しをしている方もいると思います)

毎年同じようなことを書いておりますが、この時期からの「育苗の管理」についてアップして参りますので、参考にしていただければ幸いです。

まずは、追肥についてです。

※一株当たりの窒素量は140~200mgが目安です

現在のイチゴの育苗は、夜冷で60~70日、無処理で70~90日以上になっており、成分量的にも肥効期間的にも養分が不足しています。特に、今年の様に7月は天候不良で8月になると暑くなるような年は、不時出蕾や芽無しが多く発生します。芽無しの防止や確実な花芽分化のために、置き肥の2回施用や液肥との併用を行ってください。

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※ポット錠P25無機タイプは茨城県限定になっております。お求めは茨城県内のJA様でお取り扱いをしております。


・発根促進と定植後の活着促進について

上記にも書きましたが、近年育苗期間が長くなってきているので、苗の老化防止と徒長抑制に8月上旬と定植2週間前後にポット抜きを行って、発根を促し、苗の老化を防いでください。そして、ポット抜くを行った後に

根っこりん 300倍+アミノメリット青 500倍を混用して、1~2回程度かん水施用してください。

・追肥の時期と方法について

窒素の切り過ぎは、不時出蕾の原因や、展葉の停滞により花芽分化が遅れる場合があります。しかし、ここ数年の気温上昇で夜冷でも花芽分化が遅れてきています。育苗後半には窒素レベルが高くならないように注意してください。

素の目安は、硝酸イオン試験紙で以下の通りです。
  ・とちおとめ  
無処理~8月中 100~250 9月以降 50~100
     水夜冷~処理期間 50~100 分化後 100~500
     クーラー夜冷~処理期間 100~500 分化後 100~500
 ・やよいひめ、いばらキッス
    無処理~8月中 100~250 9月以降10~50
    夜冷に関しては「とちおとめ」と一緒です。

液肥施用の目安は7000本の苗に対して、アミノキッポ1㎏を3~5日おきにかん水してください。(1回に窒素約10mg/株)


次に葉面散布です。

ここ数年は、秋の高温や曇天のために、分化が遅れたり、分化後の花芽の成長が遅れたりして、収穫開始が遅れたり、腋花の分化の遅れやバラつきが目立ちます。しっかりと花芽を分化させて、成長させるためにしっかり「ホップアップ」の葉面散布を行ってください。

8月20日以降 
ホップアップ300倍 もしくは メリット赤300倍
を毎日葉面散布して下さ。

花芽分化促進のために、夜冷の場合も行ってください。

※徒長してしまう場合はビビフルフロアブルを使用してください。


次に、葉かきについてです。

ポイント!例年より1枚多く管理してください。

葉数は、開花時に8枚以上が理想です。今年も7月の高温や8月の高温や多雨、台風などが予想されます。これらの影響で、昨年のように苗の展葉や蒸散が止まってしまうことが予想されますので、通常よりも葉を多く残し気味に管理してください。

最終的には、「検鏡時の葉数」+「未展開葉」=8枚以上になるように管理します。8月15日頃に4枚程度になるように管理し、8月20日頃に2.5~3枚に揃えるように葉かきを行い、その後は定植まで葉かきを行わず、葉数5~6枚の苗を定植してください。

夜冷を行う場合は、夜冷開始時期に2.5~3枚に葉数を揃えるように葉かきを行い、花芽分化までは、3.5~4枚程度で管理して、分化後は葉数を増やしてください。また、育苗期の葉かきに関しては、必ず葉柄の地中から切らずにきちんと欠いてください。

次にかん水と温度管理についてです。

葉数が3枚、4枚となっていくにしたがい、葉からの蒸散も増えてくると例年よりもシオレや焼けが多くなると思われます。朝のかん水はしっかりポットの下穴から水が出てくるまで手で潅水してください。

午後からかん水を行う時には、下記の手順で行ってください。また、曇天が続く場合は培土が乾いてからしっかりとしたかん水を行うようにして、何日も軽いかん水をしないようにしてください。

1)必ずポットを抜いて培土が中まで乾いているかを確認
2)遮光ネットをかけてポット内部の温度を下げてから行う。
3)その後は翌朝まで遮光ネットをかけたままにしていくか、夕方気温が低くなってから外す。
4)かん水量は、夜間の過剰な水分は徒長の原因になりますので、葉水程度にする。

以上に注意しながら行ってください。また、外気温が30℃を超えるような場合は日中遮光ネットなどをかけてシオレや焼けを防いでください。

㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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