イチゴの厳寒期の管理について①

平素は茨城生科研に対し多くの皆様より、多大なるご愛顧とご支援、そして良きご縁をいただき誠に有難く厚く御礼を申し上げます。

ついこの間までとても暖かいというか、暑い日が続いておりましたが、ここにきて秋?冬?のような気温になってきました。
イチゴの話の前に、弊社の農産部ではあまりSNSに投稿しておりませんでしたが、キャベツの収穫作業に追われておりました。
しかしながら、収量はと言うと⤵⤵⤵です。

特に、夏のお盆前に定植した作柄については、酷暑の影響で定植した苗は干からびてしまったのと、今年どこでも騒がれている害虫による食害がものすごい事になっておりました。

通常11月以降になると気温も下がってきて虫の活性も落ちてくるので、食害の心配も少なるのですが、今年はいつまで経っても動いていました。

そんな状態なので、イチゴも夜盗虫等の被害がかなりあったと聞いております。


さて、本題に入りたいともいます。

イチゴも早いものでは出荷が始まっております。が無処理のものは、例年よりも若干遅れ気味になっているのでは、ないでしょうか。

そして、いよいよ秋を通り越して冬の装いになってきて、イチゴに対しても冬支度と言った状態になってきております。

そこで、前回の「厳寒期に向けて」の続編「厳寒期の管理」についてアップして参りますので、よろしくお願いいたします。

なお、毎度のことながら前回の情報をダブルところが多々ありますので、ご了承ください。

まずは、管理の重要ポイントです。

☆薬剤散布は、前後の天気を確認してミツバチの訪花に影響が無いように注意してください。

☆厳寒期のかん水はなるべく毎日、それもなるべく早い時間に行ってください。(詳しくは下記のかん水時に記載)

☆朝の湿度はガク焼け、チップバーンの原因になりますので、しっかりと湿気を抜いてから温度を上げるようにしてください。

☆リン酸は太陽光と同じ植物のエネルギー源です。曇天時にはリン酸を補給してください。


次に各管理のポイントです。

はじめに温度管理です。

・朝はゆっくりとした温度の上昇と、地温の確保のために内張りは早い時間から全開にしてください。

・午後の気温をしっかりと管理してください。(目標は日中25℃キープです)

・気温が30℃以上になると生育が低下しますので注意してください。

・日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります。

・午前中の炭酸ガス施用は効果が高いので、行うようにしてください。


圃場を見てみると、かなりの確率で

午後の気温が低すぎるハウスが非常に多く見受けられます。

※午後の低温管理は、なり疲れの原因になります。午後の温度は25℃wキープしてください。


<温度管理の目安>

朝→ハウス内の温度が20℃以上になったら、内張りを両サイド全開にして光を取り入れて地温を確保する。

午前中→基本的には内張りを開けた状態でゆっくり25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20~25℃で管理するようにしてください。ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。☆30℃以上では光合成が停滞します。

午後→午後は、午前中よりやや高い25~30℃で管理してください。内張りは陽ざしのあるうちはなるべく開けておいて、光線を取り入れ地温を上げて、夜温の確保に努めてください。☆陽ざしのあるうちは、ハウス内温度を20℃以下にしないようにしてください。

夜間→8℃前後を確保して下さい。ハウス内温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにして、内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度の確保に努めてください。


次にかん水についてです。
厳寒期のかん水は、基本的に毎日行うようにしてください。特に朝早い時間帯に行うことをお勧めいたします。
通常厳寒期は、地温よりもかん水に使用する井戸水の方が温度が高いハウスが多いので、毎朝早い時間にかん水を行なった方が、地温が高くなり、厳寒期の生育が良くなります。
事前に地温計などを設置して地温と井戸水の水温を把握しておくと、より適切なかん水ができるので、おススメいたします。
次に葉面散布による管理についてです。
ポイント!
曇天が続いたら「リン酸」と「カルシウム」の補給を葉面散布で
厳寒期は地温よりも気温の方が高いので、かん水施用よりも、葉面散布の方が吸収効率が高いので、しっかりと「定期的に」葉面散布を行ってください。
・奇形果の軽減とチップバーンの防止に
ホップアップ300倍とカルタス500倍を混用して、週に1回定期的に葉面散布を行ってください。
・とちおとめの「なり疲れ」対策
とちおとめのなり疲れ対策として、「ジベレリン」を生育に合わせて、1~3ppmんp濃度で、20日に1回葉面散布してください。
※「ジベレリン」は草勢が強い場合でも薄い倍率で必ず葉面散布してください。
※「ジベレリン」は電照を行っている場合は必要ありません。
 電照は夕方の「日長延長」で日長が13時間になるように行ってください。
※特別な場合を除いて、「いばらキッス」や「やよいひめ」は必要ありません。
※ジベレリン液剤40mlを200ℓに薄めると1ppm、約66ℓに薄めると3ppmになります。
そして、最後に
かん水での追肥管理についてです。
1,根っこへの酸素補給
  月に1回定期的にMOX(10㎏)を1本(10㎏)を施用するようにしてください。
2,エネルギー補給と果実の肥大
  曇天や雨が3日続いたら「新トーシンPK」5㎏/10aかん水施用して下さい。
3,果実の品質向上と窒素の補給に
  アミノキッポ5~10kgを週に1回かん水してください。
     いばらキッスややよいひめはライブリーを5~10㎏を交互にかん水してください。
4,なりつかれの軽減 
  新チャンス液S10㎏とメリットM3㎏を12月25日付近と1月19日頃にかん水してください。
5、カルシウムの補給で頂部軟質化や先青果の軽減に

  トーシンCa2号で5~10㎏を1ヶ月に2回かん水してく下さい、



㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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