イチゴの暖候期前半(3月)の管理について

平素は、茨城生科研に多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。

まだ、2月も中旬になったばかりだと言うのに、昨日(13日)今日14日の日中は気温も上昇し、すっかり春の陽気になってきました。

しかしながら朝はしっかりと寒いので、寒暖の差が激しいので風邪などひかないように十分に注意してください。相変わらず、インフルエンザとコロナ感染症は増えているみたいなので・・・

さて、そんな天候なのでこの先の農作物の動向がとても気になります。ただでさえここ数年桜の開花が早くなっているので、今年もどうなってしまうのかと、ヤキモキしてしまいます。

今回はちょっと早いかもしれませんが、イチゴの暖候期前半の管理については、アップして参ります。

今年は、花芽分化が遅れたため、スタートが遅く、また暖冬のため展開も良く頂果と腋果が連続して来ているところが多く、着果負担によるなり疲れも予想されることから、日長が12時間を超えてくる3月の上旬から、地温が上がってくる3月下旬までの管理が、暖候期の収量・果実品質に大きく影響してきます。例年よりもしっかりとした保温・かん水・追肥の管理を行い、株の芯の動きや果実の状態を良く観察しながら適切な管理を行うようにしてください。


ポイント! 温度は午前中20~25℃、午後は25~29℃をキープしてください。
ポイント! ポリリン酸は植物のエネルギーです。曇天が続いたらリン酸を補給してください。


1)毎日の換気について

  ☆夜温12℃以上は果実の品質低下の原因になります。

茨城県内の圃場を回ってみると、午後のハウス内温度が低いハウスが非常に多く見受けられます。午後の低温管理はなり疲れの一因です。午後の温度は25℃をキープするようにしてください。

※温度管理の参考

早朝~ハウス内が十分明るくなったら、内張りを両サイド全開にして、光を取り入れて地温を確保するようにしてください。


午前中~内張りを全開にしたら、湿度過剰に注意しながら外張りは全閉のままで、28℃程度になったら換気を開始する。  30℃以上では光合成が停滞します。


午後~午後は、午前中よりもやや高い25~30℃で管理してください。温度の下がりすぎには注意するようにしてください。  陽ざしのあるうちはハウス内温度を20℃以下にしない。

夜間~ハウス内は6℃以上を確保する。最低気温が5℃以上の日は、全開にする


2)果実の品質向上と奇形果防止のための葉面散布を!

今年は、暖冬傾向で天気の良い日も多い事から、地上部の伸びは良さそうですが、まだまだ3月の地温は低く、根っこの動きも緩やかです。発根剤の葉面散布で、春先の株の生育バランスを改善するようにして下さい。

3月になったら

根っこりん300倍+アミノメリット黄500倍を混用して、7日~10日おきに2~3回葉面散布してください。

・果実の食味と棚持ちの向上に

ホップアップ300倍 + カルタス 300倍を5~7日おきに定期的に葉面散布してください。

※カルタス(カルシウム)の葉面散布は、欠乏の出やすい新葉や実に散布すると効果的です。

平均地温が18℃以下の状況では、根からの養分吸収が極端に低下します。地温が上がり始める3月は、気温や日長の影響でイチゴ体内でジベレリンが生成されるので、株は大きくなってきますが、正常な生育に必要な養分は地温がまだ低いので、充分に根から吸収されません。特に、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下します。春に果実の品質が低下するのはそのためです。リン酸や微量要素、カルシウムなどを葉面から吸収させてあげ、養分吸収のバランスをうまくとってあげることが、暖候期初期の果実の品質向上のポイントです。


3)根をしっかり張らせ、なり疲れを防止する液肥の管理について

暖候期には、秋に施用した元肥も無くなり、株も大きく果実も一番収穫できる時期です。温度、気温も十分になり、イチゴが一番栄養を必要をする時期です。しっかりと追肥をしてあげることで、暖候期の品質低下を軽減できます。

窒素は、アミノ酸や硝酸態窒素での補給により食味の向上や先白、先青の軽減につながります。リン酸は高エネルギーのポリリン酸での補給が、より地温の低い状況での吸収効率が良く果実肥大に有効です。

・低温時のエネルギー補給として

  新トーシンPK 5kg をかん水してください。

※果実が細くなって来た時の果実肥大に効果的です。

※エルエス2kgを混用するとさらに、果実肥大に効果があります。

・頂部軟質果対策として

  トーシンCa2号 5㎏ を月に2回かん水して下さい。

   ※トーシンCa2号は他の液肥との混用はできません。

・品質向上対策に

 アミノキッポ(又はアミノキッポ3号) 10㎏を週1回かん水してください。
 もしくは 液体ジャンプを 2~3kgを週1回かん水してください。


4)暖候期の徒長抑制に

  日長が13時間を超えてくる前(3月20日頃)に、暖候期に株が伸びすぎて作業が困難になってしまう場合は、ビビフルフロアブルを400~600倍で葉面散布すると徒長抑制になります。

※ビビフルフロアブルの使用については、商品ラベル等をよく読んでご使用ください。


㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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