イチゴ栽培管理~親株の管理 後半~
平素は茨城生科研に対し、多くの皆様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
さて、ゴールデンウィークが終わりました。
今年は、天気が安定しないで、茨城県内においても連休中に雹が降って、農作物への被害があったところもあるみたいです。
メイストームという言葉がありますが、暖気と寒気のせめぎ合いが起きる時期ですから、まだまだ注意は必要です。
さて、連休明けの投稿は、イチゴの栽培管理です。
イチゴの収穫はぼちぼち終わりに近づいてきております。
ですので、これからは育苗の情報のみをアップしていきますので、よろしくお願いいたします。
テーマは
「親株の管理」
後半
です。
まずは、主な作業日程の目安です。(☆印は注意点です)
6月上旬~直受け開始
☆直受け開始が早すぎると芽無しの発生が多くなりますので注意してください。
6月中旬~さし芽開始
☆直受け後も、切り離すまでは、栄養は親株からもらっています。親株が肥料不足になると苗も肥料切れになり、芽無しが発生します。
6月下旬~さし芽終了
☆さし芽時には、展葉3枚以下の苗を使用して、親株側のランナーを長く残し、土に挿しピンでしっかり固定してください。
☆毎年梅雨明けが早くなっています。早め早めに作業を進めてください。
7月上旬~直受け切り離し
☆さし芽、切り離しともに夜冷の場合は処理開始1ヵ月前には終了してください。
7月中旬~葉かき開始
☆活着後、展葉2枚時にすべての苗の葉数が揃うように行ってください。株を充実させるには4枚目以降の葉が必要です。葉かきをし過ぎないように注意してください。
次に
親株の肥料切れに注意しましょう
です。
プランターやポットでの親株定植後は、肥料切れに注意してください。液肥の場合は、最低2~3日おきに「アミノキッポ」300倍液をかん水してください。自動かん水の場合は、あまり高濃度で灌水の度に液肥を混入するよりも、1日1回の施用を行うか、EC 0.5~0.8程度の濃度のほうが良い苗が取れています。粒状の肥料の場合は、追肥用の化成肥料のような即効性の肥料を2~3週間に1回程度、採苗の終了までしっかり追肥してください。
有機肥料は、コバエやカビなどの発生の原因になりますし、ロングタイプの肥料では、肥効が遅すぎてランナーの発生が良くありません。特に、直受けの場合は後半の肥料切れが多くみられます。
切り離しまで、しっかりと追肥を行ってください。
次に
かん水量(回数)=ランナーの発生数です
親株へのかん水は、常に株元が充分に濡れているようにしてください。プランターやポットなどに親株を植えている場合は、1回1回のかん水が必ずプランターの下から水が出てくるまで行い、酸欠を防いでください。ランナー発生後は、1日になるべく多い回数(4~8回程度)かん水して培土の温度が上がり過ぎないようにしてください。
次に
葉かきとランナーの管理
ランナーの先枯れ防止と、ランナーの発生促進のために、次郎苗の展葉時期に葉かきを行ってください。葉数は1芽の場合10枚以下、2~3芽でも12~13枚程度にしてください。また、大きくなった太郎苗や次郎苗の葉数も2~2.5枚程度に整理してあげると効果的です。この時、葉は葉柄から切るのではなく、しっかりと欠いてください。ランナーは次郎苗の展葉時期頃から先枯れが出始めます。この頃までにつる配りを行いランナーの先端をしっかりピンなどで固定し、親株にしっかりかん水をしてあげれば、先枯れは軽減できます。
次に
さし芽の採苗と直受けの採苗です。
まず、さし芽の採苗の場合です。
●さし芽の時期
さし芽の適期は、6月10日~20日頃です。毎年6月下旬から7月の上旬に猛烈な暑さがあります。その前に活着するように早め早めに開始してください。また、夜冷を行う場合は、夜冷開始1か月前には、苗が活着するように作業を進めてください。作業が遅れて7月以降になってしまう場合は、直受けに変更することをお勧めいたします。
●活着促進と芽無しの予防
ランナー切り離し前日にアミノメリット青500倍+根っこりん300倍液を苗に葉面散布、もしくは採苗した苗をどぶ漬けしてください。ポットの土には、新チャンス液S300倍液などの発根促進資材をかん水してください。さし芽後は、アミノメリット青500倍液を葉が1枚展開するまでの間、2~3日おきに葉面散布してください。
次に直受けでの採苗の場合
●受け始めの時期と受ける苗
受け始める時期は6月5日頃からで、受け初め時点で展葉4枚以上の苗は、芽無しが出やすいのでなるべく使用しないでください。
●切り離し
無処理の場合は7月中旬ごろまでに行ってください。夜冷の場合は、夜冷開始1ヵ月前を目安に切り離してください。
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