大雨後のリーチング対策
まずは、九州・西日本を中心に、広範囲にわたり大雨により被害に遭われた皆様へ、お見舞いを申し上げます。
そして、日頃より茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
茨城生科研は本日16日から通常営業をさせていただきております。
ここ数年局地的に天候災害が発生しておりますが、台風でもないのにお盆休みに、このように連日雨が続いているのは、まさに異常としか言いようがありません。
ついこの間までは、連日の酷暑でどうにもならなかったのですが、今度は大雨です。
大雨という言い方をしておりますが、酷雨という言い方が正しいのではないでしょうか。
家屋が流されたり、冠水したりしている映像がニュースでやっておりますが、農業に携わっている身として、農地やハウスの様子を見ると胸が張り裂けそうになってしまいます。
「天候には逆らえない」といいますが、あまりにも被害の状況が酷すぎます。
SNS上では、地球がおかしくなってしまっている、なんて投稿している人もおりますが、日本だけではなくギシリャでは、最高気温が45℃を記録した、なんてニュースもあるくらいですから、環境活動家のグラタ・トゥンベリさんほど過激なことは言いませんが、これからの未来のためにも、考えなくてはいけないのかもしれません。
さて、月並みの資料になってしまいますが、タイトルにありますのように、「大雨後のリーチング対策」について、アップして参ります。
葉面散布による対策になります。
その前に、「リーチング」について改めて、ご説明をさせていただきます。
植物では、葉が栄養分を吸収するだけではなく、雨等によって葉の中から栄養分が溶出する現象が起こります。これを「リーチング」といい、大雨・長雨などで作物が弱ってしまう原因の一つといわれております。
その中でも、特にリーチング(溶出)してしまう成分は、炭水化物(糖)、アミノ酸、有機酸、無機成分です。
・無機成分のリーチング(溶出)の程度
(24時間降雨処理によるカボチャ、インゲンの葉からのリーチング)
非常に流亡しやすい(25%~40%)⇒ マンガン、ナトリウム
比較的流亡しやすい(1%~10%)⇒ カルシウム、マグネシウム、カリウム、硫黄
流亡しにくい(1%以下)⇒鉄、亜鉛、リン、塩素
このリーチング(溶出)による養分の流亡と合わせて、圃場の冠水等により根痛みが起こっている場合などは、特に草樹勢への影響が大きいと考えられます。
その様なときに、作物が必要な養分を補給できるのが「葉面散布」です。
草樹勢の生育の状況に合わせて
メリット青(7-5-3)、メリット黄(3-7-6)を選んで
300~500倍にて適宜生育が回復するまで、3日おきくらいの間隔で葉面散布を続けてください。
また、その時に
流亡しやすいと言われている「マンガン」「マグネシウム」「カルシウム」が配合されている
グリーンセーフプラス(苦土8%、マンガン0.2%配合)を1000倍液と
カルタス(キレートカルシウム10%)を500倍液
をメリットシリーズに混用して散布するとさらに効果が上がりますので、天候が回復した後に作業を行ってください。
草樹勢回復のポイントは、いかに葉面散布を実施するかです。散布回数が多い方が、効果は発揮しますし、目に見えて改善してきます。
是非とも上記を参考にしていただき、実行していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
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