イチゴの定植前後の管理について
日頃より茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠にありがとうございます。
今日も事務所所在地の笠間市押辺地区はどんよりと曇っております。
9月に入ってからの日照量をちょっと調べてみたのですが、地元の笠間市の気象データによると、9月1日から昨日13日までの日照時間は26.4時間でした。
対して昨年の同じ9月1日から13日までの日照時間は、な、なんと55時間。
今年は昨年のおよそ半分!
いかに日照が少ないお分かりいただけるのでないでしょうか。
そして気温も今一つ上がっていません。
例年なら残暑が厳しく、嫌になるくらいですが、今年はもうすっかり秋のという感じです。
また、昨年の今頃は、彼岸花の芽すら出ていませんでしたが、今年は所々開花して来ています。そして、同じく昨年の今頃にはススキが見られなかったのに、今年はもうススキがあちらこちらで見受けられます。 一体どうなっているのでしょうか?
という気候変化の中で、いよいよイチゴの定植もあちらこちらで始まっているようです。
ちょっと遅くなってしまったかもしれませんが、今日のテーマ「イチゴの定植前後の管理」についてアップして参ります。
上記にも記しましたが、今年は天候不良で不時出蕾や根腐れが多く、炭疽病やイオウ病も育苗後半から多く見受けられるようになってきました。
一か月予報では、引き続き日照時間が少なく、気温は高くなる予報になっております。
このような年には、うどんこ病が多く発生したり、地温の低下が早まり根張りが悪く、厳寒期に休んでしまうことが多いとです。これから10月までのまだ地温が高いうちにしっかり根を増やすことが今年のポイントになって参ります。
☆花芽の健全な生育と花数確保のために☆(葉面散布による対策)
今年は、花芽の分化時期の天候が悪く、苗が軟弱徒長しています。このため、定植後の葉の展開が悪くなったり、花質が悪くなったり、花数が少なくなったりしてしまいます。しっかりと花芽を分化、成長させるためにしっかりと葉面散布を行うようにしてください。
◎9月以降 メリット赤 300倍
もしくは
ホップアップ300倍を毎日葉面散布してください。
※夜冷処理を行っている場合は、ホップアップを散布してください。
☆定植前後の重要な管理について
※1 ダニは苗からの発生によるものがほとんどです。定植前には成虫、卵、共に週1回以上気門封鎖剤や本圃では使用できない薬剤を使用してしっかりと防除を行ってください。
※2 定植前日又は当日に、活着促進とダニ防除として、根っこりん300倍+モベントフロアブル500倍を混用して十分に灌注してから定植してください。
※3 花芽の確認後(ガク片形成期以降)から、定植して葉が1枚展開するまでの間、アミノメリット青500倍を定植後活着まで2~3日に1回散布してください。活着後は、ホップアップ300倍を週1回定期的に散布してください。
ここからは定植後の管理についてです。
☆なり疲れ予防と果実肥大、品質向上のための管理☆
☆腋果の分化促進と根っこの増加に☆
◎活着したら、
ホップアップ300倍+根っこりん300倍
を7~10日おきにマルチ被覆後1週間までに3~5回葉面散布を行ってください。
☆エネルギー補給と果実肥大にしっかりリン酸の補給を行ってください☆
◎活着後から収穫開始までトーシンPK5㎏を7~10日おきに定期的にかん水してください。
※特に曇天が続く場合には、しっかり「リン酸」を補給してください。
※果実肥大期には、「エルエス」2㎏を混用するとさらに果実肥大に効果的です。
◎マルチ後に「新チャンス液s」を5~10kgを10日おきに2~3回かん水してください。
◎元肥にミネパワーなどの微量要素肥料を入れていない場合は、メリットM3kgを上記のチャンス液に混用して施用してください。
☆根っこへの酸素補給について☆
◎雨にあたった圃場やベッドが崩れた圃場は、MOX(酸素供給剤)を10あたり10㎏をかん水してください。
◎ベッドを直すときに「スーパー酸素」を崩れた土に適量撒いてからベッドを直すとより効果的です。
最後に葉かきについてです。
☆葉はイチゴの生産工場です☆
葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかり管理するようにしてください。また、わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。少なくとも収穫が忙しくなるころまでには、一芽で管理してください。
※理想の展葉枚数の目安
ポット育苗の場合
定植時 4~6枚 出蕾期 7~8枚 開花期 8枚以上 収穫期 10枚以上
無仮植等
定植時 4枚 出蕾期 5~6枚 開花期 6枚以上 収穫期 10枚以上
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