イチゴ親株の管理について

日頃より茨城生科研をご愛顧くださいまして、誠に有難うございます。

早いもので2021年度も間もなく終わろうとしております。

と言う事で、年度末を迎えなんとなく気ぜわしく過ごしている今日この頃ですが、三寒四温と言いますか、日に日に暖かさが増してきております。

そして、桜の開花や満開の便りも聞こえてきて、いよいよ春本番となってきました。

ちなみに、事務所所在地の笠間市押辺では、桜の開花にはもう少し時間がかかりそうです。

コロナウイルスも第6波が収まりつつあると思えば、なんとなくすぐBA2の第7波が不穏な動きをしているのが気になりますが、日常生活を保ちながら、手洗いうがい、殺菌を豆に行って予防していきましょう。


さてイチゴですが、いよいよ後半戦に入り収穫も大忙しではないかとお察しいたします。

そんな中ではありますが、次年度の苗の準備も行う時期になってきております。

毎年、同じような内容をアップしておりますが、復習の意味も込めて

「親株の管理」

についてアップして参りますので、ご参考にしていただければ幸いです。

(更新が遅くなってしまったため、一部終了している作業もありますので、ご了承ください)


「管理の目安」

☆採苗期間中は、日中20℃、夜間が10℃以下の日には保温を行ってください☆

(主な作業内容)

3月20日頃 親株の定植(とちおとめ) 

☆とちおとめの親株は、必ず3月中に定植してください。4月に入ってからの定植は、ランナーの発生不良の危険があります。

4月1日頃 親株の定植(やよいひめ、いばらキッス) 施肥開始(プランター等)

☆やよいひめ、いばらキッスはランナーの発生が良いので、作型に合わせて4月上旬ごろから作型に合わせて親株の定植を行ってください。

☆プランターや大型ポットに定植の場合は、移植後速やかに施肥を始めてください。肥料は液肥又は、追肥用化成肥料の方がロングタイプの肥料に比べてランナーの発生が良いです。

4月10日頃  この時期に出てくる弱いランナーは、なるべく早いうちに出てくるたびに取ってください。


4月20日頃  最初に発生する弱い(赤い)ランナーを整理すると親株の草勢が強くなり良いランナーが揃って発生します。


5月  ☆この時期でも、まだ夜温が10℃前後の日は夜間保温を行ってください。


(採苗の準備)

基本的には、保温のできるハウス内で採苗を行い、日中20℃、夜間10℃以下の時には保温を行ってください。また、育苗期間の遮光は最低限にとどめて、育苗期間にしっかりと苗に光をあてられるようにしてください。頂果房の分化の遅れや奇形果、腋果房の分化のバラつきや根腐れ、また、キノコバエなどの発生も育苗期間中遮光ネットをかけっぱなしの圃場に多く見られます。育苗圃場は遮光ネットが上げ下げできるように設備してください。

(かん水について)

親株へのかん水は、点滴チューブを使用したり、マルチを利用したりして親株元だけにかん水できるように設備してください。基本的には親株にしっかりかん水されていれば、ランナーが水不足になる事はありません。ランナー部分は、必要に応じて手かん水もしくは、ミストかん水で灌注してください。かん水チューブや頭上かん水での水はねは、根腐れやイオウ病、タンソ病の原因になりますのでご注意ください。

また、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば、先ヤケなどを軽減できます。ランナーの発生は、かん水量と比例します。充分なかん水を行ってください。

プランターやポットを使用する場合は、夏場の高温時には、培土の温度上昇により根腐れ防止のためにタイマーで2~3時間おきに1日4~6回のかん水ができるように設備してください。

(ランナーの管理)

親株定植後、初期に発生する細かいランナーは、出てくるたびに、なるべく短いうちに取ってください。これを残してしまうと、親株に負担がかかり、親株の初期生育が停滞して、結果的にランナーの発生が少なくなってしまったり、苗の大きさがバラつき、花芽の分化がバラツキます。

また、初期にランナー取りをしないで、4月後半に出てくるランナーを一度に採ってしまうと逆効果になり、ランナーの発生不足になる事がありますのでご注意ください。

先焼けは、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば軽減できます。特に次郎苗の先が伸びる時期が焼けやすいので、この時期にはきちんと葉数を整理したり、遮光をかけたりして注意してください。

(わき芽や葉の管理)

強いわき芽は残してあげ、2~3芽くらいで管理した方がランナーの発生数は多くなります。しかし、芽を残し過ぎて葉数が多くなり、根からの吸収量よりも葉からの蒸散量の方が多くなると、葉の展開が止まったり、ランナーの先焼けの原因になります。芽の数にもよりますが、親株の葉数は10~15枚程度で管理して、ランナーの葉も3枚程度で管理してあげると、ランナーの発生もよく、苗も生育し花芽分化とともに、揃った良い苗が取れます。


㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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