イチゴ暖候期前半(3月)の管理について

日頃より茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、深く深く御礼を申し上げます。

今まで全くと言っていい程雨が無かったのですが、ここ2週間ほどは適度に雨が降って良いお湿りになっているのではないでしょうか?

そして、この時期の大敵、花粉がいよいよ飛び始めてきております。

なんでも今年は、例年の10倍というではありませんか(驚き)そんな話をメディアをはじめ、あちらこちらに見聞きするので、年が明けたそうそうから鼻がムズムズして鼻水鼻つまりがすでに発生している今日頃頃です。

また、まだまだコロナ禍ではありますが、コロナの影?に潜んでいたインフルエンザが今年は流行しそうだと言う事なので、ダブルで注意しなくてはいけないですね。

大変な季節になってきてしまいました。

さて、そうは言ってもまだまだ寒い日が続きますが、季節と作物は確実に春に向かっています。

と言う事で、イチゴの暖候期前半(3月頃)の管理についてアップして参ります。

まずは、状況から申しますと今年は非常に根の張りが弱いので、わき芽が多く暖候期の軟弱徒長や奇形果、小玉果などの発生が予想されます。日長が12時間んを超えてくると3月上旬から地温が上がってくる3月下旬までの管理がこの「暖候期」の収量や果実の品質に大きく影響してきます。例年よりもしっかりとした「保温」「かん水」「追肥」の管理を行い、株の芯の動きや果実の状態をよく観察しながら適切に管理を行ってください。

栽培のポイント

1)気温は午前20~25℃を、午後は25~29℃をキープしてください。
2)曇天の日が続く時には、リン酸をしっかり補給してください。(ポリリン酸は植物のエネルギーです)


換気についてです。

圃場巡回を行っていると、午後のハウス内温度が低い圃場が多く見受けられます。(人間の感覚とイチゴの感覚は違います)

午後の低温管理はなり疲れの原因になります。午後の温度は25℃をキープするようにしてください。

☆温度管理の目安

早朝~ハウス内が十分に明るくなったら、内張りを両サイド全開にして光を取り入れ地温を確保しましょう。

午前中~内張りを全開にしたら湿度過剰に注意しながら外張りは全閉のまま、28℃程度で換気を開始する。  ☆30℃以上では光合成が停滞します。

午後~午後は、午前中よりやや高い25~29℃で管理する。温度の下がり過ぎに注意してください。  ☆陽ざしのあるうちは、ハウス内を20℃以下にしない。

夜間~ハウス内は6℃以上を確保してください。最低気温が5℃以上の日は全開にする。


植調剤のビビフルフロアブルの仕様について

日長が13時間を超えて来る前に(おそよ3月20日頃)暖候期に株が伸びすぎて作業が困難になってしまう場合は「ビビフルフロアブル」を400~600倍で葉面散布すると徒長抑制になります。

※「ビビフルフロアブル」の仕様については、商品ラベルをよく読んで正しくお使いください。


次に葉面散布による管理です。

・品質向上と奇形化防止について

上記に記しましたが、今年は根が少なく、わき芽が多く花数も多い傾向です。このまま温かくなると軟弱徒長や小玉果、奇形果などが心配されます。「根っこりん」の散布で春先の株の生育バランスを改善しましょう。

3月に入ったら⇒

根っこりん300倍+アミノメリット黄500倍

混用で7~10日おきに2~3回葉面散布してください。

※平均地温が18℃以下の状況では、根からの養分吸収が極端に低下します。気温が上がり始める3月は、気温や日長の影響でイチゴ体内のジベレリンが生成されるので、株は大きくなってきますが、正常な生育に必要な養分は地温がまだ低いので、充分に根から吸収させれません。特にリン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下します。春に果実の品質が低下するのはそのためです。リン酸や微量要素を葉面から吸収させてあげ、養分吸収のバランスをうまくとってあげることが、暖候期初期の果実品質向上のポイントです。

次に液肥での管理です。

暖候期は、秋に投入した元肥も無くなり、株も大きく果実も一番収穫できる時期です。温度、気温も十分になり、イチゴが一番栄養を必要とする時期です。

しっかり追肥をしてあげることにで暖候期の品質低下を軽減できます。窒素は、アミノ酸や硝酸態窒素での補給により食味の向上や先白、先青の軽減になります。リン酸は高エネルギのポリリン酸での補給が、より地温が低い状況での吸収効率が良く、果実肥大に有効です。

・低温時のエネルギ―補給として、「新トーシンPK5㎏」をかん水してください。

※果実が細くなって来た時の果実肥大に効果的です。

※エルエス2㎏を混用すると、さらに果実の肥大に効果があります。

・頂部軟質果対策として「トーシンCa2号 5㎏」をかん水してください。※トーシンCa2は他の液肥と混用できませんでの注意してください。

・品質向上に「アミノキッポ」または「アミノキッポ3号」を5~10㎏を週1回かん水してください。

・果実の食味と棚持ちの向上に「ホップアップ300倍」+「カルタス300倍」を5~7日おきに適宜葉面散布してください。




㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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