イチゴ「親株の管理・後半」
平素は茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。
間もなくゴールデンウィークがやってきます。今年は、ここ数年と違って新型コロナウイルス感染症の話題も少なくなってきて、感覚的にはコロナ禍前に戻りつつあるのではないでしょうか?
そして、各地のイベントも開催されかなりの人出があり、大いに盛り上がっているようです。
事務所所在地の茨城県笠間市でも、ゴールデンウィークから一大イベント「陶炎祭(ひまつり)が笠間市の芸術の森公園にて29日から開催されます。毎年数十万人とかなりの来場者があるイベントです。焼き物が中心ですが、エンターテインメントやらグルメやらと楽し事がたくさんあるので、ゴールデンウィークはぜひ茨城県笠間市にお越しください。(車で来ると結構な渋滞にハマるので、お越しになるなら公共交通機関が良いと思います)
さて、イチゴの収穫もいよいよラストスパートの時期になってきました。おそらくゴールデンウィークが終わったら終わりにする方がほとんどだと思います。
そして、もうすでに始まっていますが、2023~2024年産の準備が本格的になってきます。
今回は、前回3月頃に更新した親株の管理の後編をアップして参ります。
※毎年この時期にアップしているので、見ている方にとっては「またか」と思われる方もいると思いますが、復習の意味でご覧いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
まずは、「親株の肥料切れに注意しましょう」と言う事です。
もうすでに、プランターやポットに定植されているとは思いますが、定植後の肥料切れには十分に注意するようにしてください。
液肥での管理の場合が、最低でも2~3日おきに「アミノキッポ」300倍液をかん水してください。自動かん水の場合は、あまり高濃度で灌水のたびに液肥を混入するよりも、1日1回の施用にするか、EC0.5~0.8程度の濃度の方が、良い苗が取れています。粒状の肥料の場合は、追肥用の化成肥料のような即効性の肥料を2~3週間に1回程度採苗収量までしっかりと追肥してください。
有機肥料や堆肥などの施用は、コバエやカビなどの発生の原因になりますので、使用を控えてください。
また、ロングタイプの肥料では、肥効が遅すぎてランナーの発生が良くありません。特に、直受けの場合は、後半の親株の肥料切れが多く見受けられます。切り離しまでしっかりと追肥を行うようにしてください。
<かん水量(回数)=ランナーの発生数です>
親株へのかん水は、常に株元が充分に濡れているようにしてください。プランターやポットなどに親株を植えている場合は、1回1回のかん水が必ずプランターの下から水が出てくるまで行い、酸欠を防いでください。水分補給としてのかん水は1日1~2回で十分ですが、ランナー発生後は、培土の温度が上がり過ぎないように、1日になるべく4~8回程度かん水してください。
<葉かきとランナーの管理>
ランナーの先枯れ防止とランナーの発生促進のために、次郎苗の展葉時期に葉かきを行ってください。葉数は1芽の場合10枚以下、2~3芽でも12~13枚程度にしてください。また、大きくなった太郎苗や次郎苗の葉数も2~2.5枚程度に整理してあげると効果的です。この時、葉は葉柄から切るのではなく、しっかりとかくようにしてください。ランナーは、次郎苗の展葉時期頃から先枯れが出始めます。この頃までにつる配りを行い、ランナーの先端をしっかりピンなどで固定し、親株にしっかりかん水をしてあげれば、先枯れは軽減できます。
<直受けでの採苗の場合>
〇受け始めの時期と受ける苗について
受け始める時期は、6月5日頃からで受け始め時点で展葉4枚以上の苗は芽無しが出やすいのでなるべく使用しないで、展葉3枚までの苗を使用してください。
〇切り離し
無処理の場合は7月中旬ごろまでに行ってください。夜冷の場合は、夜冷開始1ヵ月前を目安に切り離しを行ってください。切り離し後は速やかにポット錠無機タイプを施用してください。
<さし芽での採苗の場合>
〇さし芽の時期
さし芽の適期は、6月10日~20日頃です。毎年6月下旬から7月上旬に猛烈な暑さがあります。その前に活着するように早め早めに開始してください。また、夜冷を行う場合は、夜冷開始1ヵ月前には苗が活着するように作業を進めてください。作業が遅れて7月以降になってしまう場合は、直受けに変更することをお勧めします。
〇活着促進と芽無しの予防
使用する苗は、なるべく展葉3枚までのものを使用してください。ランナー切り離し前日に「アミノメリット青500倍+根っこりん300倍液」を苗に葉面散布、もしくは採苗した苗をどぶ漬けしてください。ポットの土には、「新チャンス液S300倍液」などの発根促進剤をかん水しておいてください。さし芽後には「アミノメリット青500倍液」を葉が1枚展開するまでの間、2~3日おきに葉面散布してください。
さし芽後、1~1.5枚展葉したらポット錠無機タイプを施用してください。
作業日程の目安について
6月上旬 ランナーの直受け開始
☆直受けが早すぎると芽無しの発生が多くなります。
☆直受け後も、切り離すまでは栄養は親株からもらっています。親株が肥料不足になると苗も肥料切れになり芽無しが発生します。
中旬 ランナーさし芽開始
☆さし芽時には、展葉3枚以下の苗を使用して、親株側のランナーを長く残し、土に挿しピンでしっかり固定してください。
下旬 さし芽終了
☆毎年梅雨明けが早くなっています。早め早めに作業を進めるようにしてください。
7月上旬 直受け切り離し
☆さし芽、切り離しともに夜冷の場合は処理開始1ヵ月前には終了してください。
中旬 葉かき開始
☆活着後、展葉2枚時にすべての苗の葉数が揃うように行ってください。株を充実させるには、4枚目以降の葉が必要です。葉をかき過ぎないように注意してください。
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