イチゴ栽培管理情報~育苗期の管理について~

平素は茨城生科研に対し、多くの皆々様方から多大なる御支援と御愛顧を賜りまして、

誠に有難く厚く厚く御礼申し上げます。


しかし、熱いですね(あえてこの漢字を使いました)

事務所所在地の笠間市岩間地区は、16日の夕方に少し雨が降ったくらいで、それ以外はまったく降っておりません。

今週末には、弊社農産事業部の秋冬キャベツの定植があるのですが・・・・

どうなってしまうのでしょうか?

雨乞いでもしたいくらいです。


それにしても異常な暑さです。

殺人的高温としっても過言でがありませんが、日中の作業を避けているとは思いますが、夕方になっても温度が下がりません。


昨日も、自宅庭の芝刈りを行なっていたのですが、大げさではなく数秒で汗が噴出してきました。

そして、夕方にも関らず気温を測ったら、なんと37度もあるではありませんか(驚)

ビックリです。


そんな状況ですから、皆さん健康管理、特に熱中症には充分注意をして下さい。

一番は無理をしないことです。そして、当たり前ですが、水分補給をこまめに行なってください。

水だけではいけません、適度な塩分補給もちゃんと行う様にして下さい。


さて、本題に入ります。

イチゴの育苗期の管理についてアップして参ります。

まずは、追肥と葉面散布についてです。

ポイント!1株あたり窒素140~200mgが目安になります。

☆ポット錠ジャンプP25の施用時期(1錠/窒素60mg/1株)

ポット錠ジャンプの肥効は、施用後25~30日です。現在のいちごの育苗は、夜冷で60~70日

無処理で70~90日以上になっており、成分量的にも肥効期間的にも不足しています。特に、今年のような熱い時期には肥料は早く切れてしまいます。芽無しの防止や確実な花芽分化のためにも、置き肥の2回施用や液肥との併用を行ってください。

※マイクロロング、IB化成を使用する場合、効きはじめるのが遅いので、活着後1~2回アミノキッポなどの液肥をかん水して下さい。


☆発根促進と定植後の活着促進

近年は、育苗期間が長くなってきているので、苗の老化防止と徒長抑制に8月上旬と定植2週間前頃にポット抜きを行なって発根を促し、苗の老化を防いでください。

・新チャンス液S300倍+メリットM800倍

ポット抜き後、混用で1~2回かん水を行なってください。


☆追肥の時期と方法

窒素の切り過ぎは、不時出蕾の原因や、展葉の停滞により花芽分化が遅れる場合があります。

しかし、ここ数年は気温上昇で夜冷でも花芽分化が遅れてきています。育苗後半には窒素レベルが高くならないように注意して下さい。窒素の目安は、硝酸イオン試験紙で以下の通りです。

 ・とちおとめ

    無処理~8月中→100~250   9月以降→50~100

   水夜冷~処理機関→100~250   分化後→100~500

クーラーや冷~処理機関→100~500   分化後→100~500


 ・やよいひめ、いばらキッス

   無処理~8月中→100~250  9月以降→50~100

   夜冷に関しては、とちおとめと同じです。

※液肥施用の目安は、7,000本の苗にアミノキッポ1kgを3~5日おきにかん水を行なってください。

  (1回に窒素約10mg/株)

☆葉面散布

ポイント!花芽分化促進のために、夜冷の場合でも行なってください。

ここ数年は、秋の高温や曇天のために、分化が遅れたり、分化後の成長が遅れたりして収穫開始が遅れたり、腋花の分化の遅れやバラつきが目立ちます。しっかり花芽を分化させ、成長させるためにしっかりとホップアップ(またはメリット赤)の葉面散布を行なってください。

・8月15日以降  ホップアップ300倍又はメリット赤300倍

        毎日葉面散布して下さい。

※かん水で使用する液肥もリン酸の多い山型肥料に切り替えてください。

※夜冷処理を行う場合は、ホップアップを使用して下さい。


2、葉かきについて

ポイント!花芽の揃いと分化促進のために。

葉数は、開花時に8枚以上が理想です。最終的には検鏡時の葉数+未展開葉数=8枚以上になるように管理します。目安としては、鉢上げ後新葉が1枚展開したら、すべての苗の葉数を1.5~2枚に揃える様に葉かきをして下さい。その後8/15頃までは、4枚程度で管理し、8/20頃に1.5~2枚に揃えるよう葉かきを行い、その後定植までは葉かきを行なわず、葉数4~6枚の苗を定植して下さい。夜冷を行なう場合は、夜冷開始時に2~2.5枚に葉数を揃える様に葉かきを行い、花芽分化までは3枚程度で管理して分化後は葉数を増やしてください。また、育苗期の葉かきに関しては、必ず葉柄の途中から切らずにきちんと欠いてください。


3、かん水と温度管理
ポイント!良い苗の育成と病害虫の蔓延防止のためにです。

葉数が3~4枚となっていくにしたがい、葉からの蒸散も増えていきます。午後からのかん水を行なう時には、下記の手順で行う様にして下さい。

1)必ずポットを抜いて培土が土の中まで乾いているかを確認する。

2)遮光ネットをかけてポット内の温度を下げてから行なう。

3)その後は翌朝まで遮光ネットをかけたままにしてあげるか、夕方気温が低くなってからはずす。

4)かん水の量は、夜間の過剰な水分は徒長の原因になりますので、葉水程度にする。

以上に注意して行なってください。また、外気温が30℃を超えるような場合は日中遮光ネットをかけてシオレや焼けを防ぐようにして下さい。


4、花芽検鏡
ポイント! 絶対に行なってください。とても重要です。

花芽検鏡は必ず行なってください。特に、ここ数年は夏の高温などにより花芽の分化は遅く、非常にバラつきが大きくなる傾向にあります。夜冷の場合は、8月下旬に1回行い、無処理では9月10日頃からを目安に行ってください。

このときにまだ花芽分化していない場合は、必ず再度検鏡を行なってください。定植は、花芽分化後(分化期後期以降)2~3日待ってから行なってください。苗にしっかり追肥を行ないながら定植時期を少し遅らせて、定植した方が良い結果になるので、しっかり花芽が分化してから定植して下さい。


5、定植前後の管理について

☆ダニは苗からの発生によるものがほとんどです。定植前には成虫、卵ともにしっかりと防除を行なってください。


☆花芽の確認後(ガク片形成期以降)から定植して葉が1枚展開すまでの間、アミノメリット青500倍液を定植後活着まで、2~3日に1回散布して下さい。活着後はホップアップ300倍液を秀に1回定期的に散布して下さい。


以上、時節柄苗つくりも大変困難になってきました。

しっかりとした苗を作って、たくさん取れるイチゴにして下さい。



㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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