イチゴの親株の管理について
平素は茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
さて、早いもので1月もアッという間に過ぎ去ってきました。
気候も時より寒い日もありますが、比較的暖かい日が続いております。
さて、イチゴの収穫もまだまだこれから、という時期ではありますが、すでにじ次年度の準備をぼちぼち始める時期となってきております。
なので、ちょっと早いかもしれませんが、今回はイチゴの親株についてアップして参りますので、よろしくお願いいたします。
題して、「2月からの親株の管理」についてです。
管理の目安として、
2月の中下旬には、親株の根が動き始めます。このタイミングからタンソ病・イオウ病を中心に7~10日おきに定期的にしっかりと防除を行うようにしてください。
また、この時期からの施肥も行うようにしてください。
・とちおとめの親株の定植時期について
とちおとめはランナーの発生があまりよくないので、親株は必ず3月中下旬に定植するようにしてください。
※4月にずれ込むと、ランナーの発生不良の危険性がありますので、注意してください。
・いばらキッス、やよいひめの親株の定植時期
いばらキッス、やよいひめのランナーは比較的発生が良いので4月の上中旬頃から、それぞれの作型に合わせて親株の定植を行うようにしてください。
☆プランターや大型ポットに定植の場合は、移植後速やかに施肥を始めてください。肥料は液肥または、追肥用化成肥料の方が、ロングタイプの肥料よりランナーの発生は良いです。
採苗の準備)
基本的には、保温のできるハウス内で採苗を行ってください。日中20℃、夜間10℃以下の時には、保温を行ってください。また、育苗期間の遮光資材も開閉ができるように設備してください。
育苗期間にしっかりと苗n光をあてられるようにしないと、頂果房の分化の遅れや奇形果、腋果房の分化のバラつき、根腐れの発生の原因となります。
また、キノコバエなどの発生は、湿度の高い圃場、堆肥場の近くの圃場、畜産厩舎の近くの圃場などで多く見られます。もちろん採苗、育苗時に有機質資材を使用する圃場も多く発生しますので、しっかりと対策を行なうようにしてください。
親株へのかん水について)
親株へのかん水は、点滴チューブを使用したり、マルチを利用したりして、親株元だけにかん水できるように設備してください。基本的には、親株にしっかりかん水されていればランナーが水不足になる事はありません。ランナーの部分は必要に応じて手かん水もしくは、ミストかん水で灌水してください。
かん水チューブや、頭上かん水での水はねは、根腐れやイオウ病やタンソ病の原因になりますので十分注意してください。
また、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば先焼けなどを軽減できます。ランナーの発生は、かん水量と比例します。充分なかん水を行ってください。
プランターやポットを使用する場合は、夏場の高温時には培土の温度上昇による根腐れ防止のためにタイマーで2~3時間おきに1日4~6回のかん水ができるように設備してください。
ランナーの管理)
親株定植後、初期に発生する細いランナーは、4月下旬くらいまでには出てくるたびに、なるべく短いうちに取り除いてください。これを残してしまうと、親株に負担がかかり、親株の初期生育が停滞して、結果的にランナーの発生が少なくなってしまったり、苗の大きさがバラつき、花芽の分化がバラツキます。
また、初期にランナー取りをしないで、4月後半に出てくるランナーを一度に採ってしまうのは逆効果になり、ランナーの発生不足になる事がありますので注意してください。
先焼けは、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば、軽減できます。
特に次郎苗の先が伸びる時期が焼けやすいので、この時期にはきちんと葉数を整理したり、遮光をかけたりして注意してください。
わき芽や葉の管理)
強いわき芽は残してあげ、2~3芽ぐらいで管理した方が、ランナーの発生は多くなります。しかし、芽を残し過ぎて葉数は多くなり、根からの吸水量よりも葉からの蒸散量の方が多くなると、葉の展開が止まったり、ランナーの先焼けの原因になります。芽の数にもよりますが、親株の葉数は10~15枚程度で管理して、ランナーの葉も3枚程度で管理してあげるとランナーの発生もよく、苗の生育、花芽分化とともにそろった良い苗が取れます。
以上が親株の管理についてでした。
とはいえ、まだまだ本圃の管理もしっかり行わなくてはいけません。
前に更新した「厳寒期の管理」を参考に、本圃の管理を行うようにしてください。
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