親株の管理について

平素は茨城生科研に対し、多くに皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く深く深く感謝を申し上げます。

さて、三月も中旬を過ぎて、少しずつではありますが、春の足音が着実に近づいてきております。

がしかし、日照時間はどうかと言うと、昨年よりも少ない傾向にあります。

また、降水量も昨年と比較すると水戸のデータですが、昨年が1月と2月の合算ですが、昨年がおよそ61.5mmで今年が114mm、今年の方が倍近く降っていることになります。

昨年の今頃は、年末からずーっと雨が無くて、田んぼの水が足らないと騒いでいましたが、今年は逆に田んぼに水が溜まり、場所によっては代掻き?ってところも・・・・

そして、イチゴにとっても非常に厳しい気候になってしまっております。

そんな状況下ですが、まだまだ収穫真っ盛りですが、すでに来年のイチゴ作りも始まっております。

毎年繰り返しの情報にはなりますが、「親株」の管理について、アップして参ります。


3月に入って親株の根っこはすでに動き始めております。まずは、タンソ病、イオウ病を中心に定期的に防除を行ってください。

親株の定植ですが、「いばらキッス」や「やよいひめ」は比較的ランナーの発生は良いので4月上中旬までに定植をすませば大丈夫ですが、「とちおとめ」はいろんな資料にも記載されている通り、ランナーの発生が悪いので、必ず3月中に定植するようにしてください。そして、保温と換気、かん水ができるハウスで行い、夜間温度が10℃以下になる日には、保温するようにしてください。

親株の肥料切れに注意を!

親株はプランターやポットに定植して、活着後は肥料切れに注意してください。液肥での施用の場合は2~3日おきに「アミノキッポ」300倍などでかん水を行ってください。

養液栽培用の液肥を自動かん水で行う場合は、あまり高濃度で灌水するたびに液肥を混入するよりも、1日1回の液肥施用にするか、EC0.5~0.8程度の濃度の方が、良い苗が取れます。

粒所肥料の場合は、追肥用の化成肥料のような速効性の肥料を2~3週間に1回程度、採苗終了までしっかりと追肥を行ってください。

※ポイント

近年、コバエやカビの発生が問題になっております。肥料を施用するときに有機肥料や堆肥等の施用は、それらの発生の一因になりますので、使用を控えるようにしてください。
また、ロングタイプの肥料では、肥効が遅すぎてランナーの発生が良くありません。特に、直受けの場合は、後半の親株の肥料切れが多く見られますので、切り離しまでしっかりと追肥を行ってください。

・かん水について

親株へのかん水は、点滴チューブを使用したり、マルチを利用して株元だけにかん水できるように設備してください。基本的には、親株にしっかりかん水されていれば、ランナーが水不足になる事はありません。ランナー部分には、必要に応じて手かん水もしくは、ミストかん水で灌水してください。かん水チューブや頭上かん水での水ハネは、株腐れやイオウ病や炭疽病の原因しなりますの、注意してください。

ランナーの発生量はかん水量と比例します。親株に充分なかん水を行うことで、先ヤケなどを軽減できます。

プランターやポットを使用する場合は、夏場の高温時には培土の温度上昇による根腐れを防止するために、タイマーで2~3時間おきに、1日4~6回程度かん水できるように設備してください。


・ランナーの管理について

親株定植後、初期に発生する細いランナーは、4月下旬くらいまでは出てくるたびになるべく短いうちに取り除いてください。これを残してしまうと親株に負担がかかり、親株の初期生育が停滞して、結果的にランナーの発生が少なくなったり、苗の大きさがバラつき、花芽の分化がバラつきます。また、初期にランナー取りを行わないで、4月後半に出てくるランナーを一度に採ってしまうのは、逆効果になり、ランナーの発生不足になる事があるので、注意してください。

ランナーの発生促進として、4~5日間隔で「アミノメリット青」500倍で定期的に散布してください。この時、出てきたランナーにも散布してください。この葉面散布は採苗まで続けますが、苗が徒長してしまった場合は、「アミノメリット黄」に変えて続けてください。

温度は高すぎてもランナーの発生は抑制されてしまうので、できるだけ30℃以下で管理してください。また、それ以上になる時期は、寒冷紗などで遮光してください。それにより、ランナーの発根促進、チップバーンの防止につながります。

先ヤケは、こまめにランナーをピンで止めて、親株に充分なかん水を行なえば軽減することができます。特に、次郎苗の先が伸びる時期が焼けやすいので、この時期にはちゃんと葉数を整理したり、遮光をかけたりして管理してください。

・わき芽や葉の管理について

強いわき芽は残して、2~3芽ぐらいで管理した方がランナーの発生数は多くなります。しかし、芽を残し過ぎて葉数が多くなったり、根からの吸収量よりも葉からの蒸散量が多くなると、葉の展開が止まったり、ランナーの先ヤケの原因になります。芽の数にもよりますが、親株の葉数は10~15枚程度で管理し、ランナーの葉も3枚程度で管理すると、ランナーの発生も良く、苗の生育・花芽分化とも揃った良い苗が取れます。




㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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