イチゴ栽培管理情報~厳寒期後半の管理について~

平素は茨城生科研に対し、多くの皆様からご支援とご愛顧を賜り、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。

さて、いよいよ2月も後半に入ってきました。

前回アップいたしましたが、今週の中盤くらいか気温がやや高くなるとの予報が出てきております。

そして、気象情報でも伝えられるようになってきましたが、

花粉

のいやーーーーな時期に突入してきました。

なんでも、今年は昨年の夏が高温だったことから、例年よりも飛散量が多いとか(汗)。

重度の花粉症のわたくしとしては、この時期だけでいいので海外に逃亡したいくらいです。

(まー現実はできません、というより年度末が近づいているこの時期にいけるわけもありません)涙・涙・涙。

さて、本題に入ります。

表題にありますように「イチゴの厳寒期後半の管理」についてアップして参ります。

今年のイチゴの状況ですが、何度も書いておりますが根の張りが非常に弱いために、なり疲れが起こりやすくなっております。天気も異常早期警戒情報が発表されたり、1ヶ月予報でも雨が多く日照が短いとの予報が出ております。雨が多くて曇天続きだと、地温が上がらずに奇形果や軟質果の発生も多くなってくる可能性が高いです。ですので例年よりもしっかりした保温・かん水・追肥の管理が必要になってまいります。イチゴの株の芯の動きや果実の状態をよく観察して適切な管理を行うようにしてください。


1)葉面散布による管理

<果実の品質向上と奇形果の防止に>

今年は根が少なく、地温も低く、根の活性が弱っています。根からの吸収だけでは不足してしまう養分を葉面散布で補い、なり疲れ・奇形果・先白、先青果・着色不良・チップバーンを軽減させましょう。

ホップアップ300倍 +カルタス500倍

7日おきに適宜葉面散布を実施してください。

※ハダニ、うどんこ病が多発している場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更して葉面散布を行ってください。

ポイント!

厳寒期、平均気温が18℃以下の状況では、根からの養分吸収が極端に低下します。ハウス栽培の場合、窒素とカリは日中の温度をしっかり確保してあげれば、欠乏することは少ないですが、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下しますので、リン酸や微量要素を葉面から吸収させてやり、養分吸収のバランスをうまくとってあげることが、なり疲れ軽減のポイントです。

2)液肥での管理について

厳寒期の液肥の追肥は、葉の展開スピードを上げてあげる事と、果実の品質向上を目的として行います。それには、吸収した窒素をいかに効率よく養分転換させるか、いかに多く吸収させるかが、ポイントになっております。

窒素は、アミノ酸や硝酸態窒素での補給により、食味の向上や先白・先青の軽減になります。リン酸は、高エネルギーのポリリン酸での補給が、よR地温が低い状況での吸収効率を高めて、果実の肥大やなり疲れに対し有効的なります。

低温時のエネルギー補補給として、週1回新トーシンPK5㎏をかん水施用してください。

※果実が細くなって来た時の果実の肥大に効果的です。

※エルエス2㎏を混用すると、果実肥大により効果を発揮します。


部軟質果対策として、月2回トーシンCa2号5㎏をかん水してください。

※トーシンCa2号は他の液肥と混用できません。

天気の良い日は、アミノキッポ液肥5~10㎏、またはアミノキャッチN10㎏と

新チャンス液S5~10㎏を7~10日おきに天気的にかん水してください。


ポイント!

これも、何度も記載しておりますが、

・天気の良い日が続く時は「窒素」を充分に補給してください。

・ポリリン酸は植物のエネルギーです。曇天が続いたらリン酸を補給してください。

・地温確保のために、かん水は毎日なるべく早い時間に行ってください。


3)毎日の換気について

・午後の気温が20℃以下は、なり疲れの原因になります。

歩いていると、午後のハウス内温度が低くなっているハウスが非常に多いです。午後の低温管理は、なり疲れの原因になります。午後の温度は25℃をキープしてください。

早朝~ハウス内の温度が20℃以上になったら、内張りを両サイド全開にして、光を取り入れ地温の確保に努める。

午前中~内張りを全開にして、外張りは全閉のまま28℃程度まで保温する。湿度が上がりすぎたり、二酸化炭素濃度が下がりすぎた場合は、適宜換気を行てください。

午後~午後は午前中よりもやや高い25~30℃で管理してください。ハウス内が22~23℃で外張りを閉め、20℃で内張りを閉めてください。

※日差しのあるうちは、ハウス内を20℃以下にしないでください。

夜間~8℃前後を確保してください。ハウス内温度が5℃を下回る場合は、午後の温度を高めにして、内張りカーテンも早めに閉めるなどの、温度の確保に努めてください。

4)ジベレリン処理と電照

・なり疲れ予防のために必ず行ってください。

疑似休眠防止のために、15~20日に1回定期的に散布してください。(3月中旬まで)

※ジベレリン散布、電照ともに日長時間が12時間になるまでが目安です。

ジベレリン1~3ppm+アミノメリット黄500倍を1株あたり5ml葉面散布してください。※生育状態によって濃度を調整しながら必ず定期的に散布してください。

5)親株です。

今年は非常に凍み症が多く発生する恐れがあります。すぐに置き肥を行うようにして、凍み症対策を行ってください。

また、イオウ病、炭疽病の防除を開始してください。


以上まだまだ先は長いです。

しっかりとした管理を行っておいしイチゴ栽培を行ってください。


㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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