イチゴ厳寒期の管理③
平素は茨城生科研に対し多くの皆様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。
相変わらずコロナ禍が続いております。
茨城県も本日より茨城県独自の緊急事態宣言下になりました。
なんとも言い難いものはありますが、感染防止の徹底と周りの状況を見ながら適切に行動することが必要だと思っております。
また、お客様への訪問回数を制限する場合もありますが、SNSを通じていろいろ発信していきたいと思っておりますし、相互交流もしていきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
さて、本題です。
「イチゴ厳寒期の管理」第三弾です。
一部②や先日載せた降雪後の管理と重複することがありますが、ご了承ください。
気象庁の季節予報で、向こう3か月の予報では、比較的低温の予報になっております。イチゴの状況も、根の張りが非常に悪い事と、頂花、腋花が連続して出蕾して言う事から2~3月にかけてなり疲れが起きる可能性が非常に高いです。なり疲れを軽減するためにも例年よりも草勢を強くするための温度管理と冬場の葉面散布、追肥をしっかりと行ってなり疲れを防ぎましょう。
☆地温確保のためのかん水管理☆
ー毎日かん水を行いましょうー
厳寒期は、通常地温よりも井戸水の方が温度が高いので、かん水を行うことで地温が上がります。毎日なるべく早い時間にかん水を行って地温の確保を行ってください。通路に水が溜まってしまう圃場はMOXやキッポ液肥をキッポエアー灌注機を使ってかん注して土壌の物理性の完全を行てください。
※かん水で利用する水の温度やかん水前後の地温を確認しておくとより良い地温管理ができます。
※圃場に水が溜まっている場合でもベッドは乾いているの場合があります。その場合はかん水量に注意して少量かん水を行ってください。
☆温度管理について☆
午後のハウス内温度が低くなっているハウスが非常に多いです。午後の低温管理はなり疲れの原因です。午後は外張りを閉めて保温してください。
・温度管理の目安
早朝~晴天の日は、日が照ってきたら内張りを両サイド全開にして湿度を抜き、光を取り入れて地温の確保を行てください。
午前中~25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は23~25℃で管理するようにしてください。ガク焼けは葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。
※30℃以上では光合成が停滞します。
午後~午後は、午前中よりやや高い25~30℃で管理してください。外張りは昼過ぎには閉め、ハウス内が20℃以下になったら内張りも閉めてください。※陽ざしがあるうちは、ハウス内を20℃以下にしない。
夜間~8℃前後を確保するようにしてください。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにして、内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度確保に努めてください。
先週は雪予報が出ましたが降りませんでした。しかし、これから南岸低気圧の通過によって降雪の可能性もありますので、降雪対策も行うようにしてください。
・降雪後の地温確保のために、ハウス周りの雪が無くなるまでの間、毎日かん水を行うようにしてください。
降雪後すべての品種で、
ジベレリン1~3ppm+アミノメリット青500倍+カルタス300倍
でなるべく早く葉面散布してください。
※雪の多い年は、しみ症が出やすくなります。親株の肥料切れに注意してください。
※降雪、曇天後の晴天は、薬剤散布より先にミツバチを飛ばしましょう。
※晴天が続く時には窒素を、曇天が続くときにはリン酸を追肥しましょう。
☆葉面散布について☆
奇形果、チップバーンの予防と冬場のエネルギー補給に
ホップアップ300倍+カルタス500倍液を4~5日お気に葉面散布してください。
※いばらキッス・やよいひめでは、軟質果軽減に効果があります。
※ハダニ、うどんこ病が発生している場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更してください。
☆☆最重要ポイント☆☆
「とちおとめ」のなり疲れ、休眠防止に
1月2月はジベレリンを生育に合わせて1~3ppmで15~20日に1回定期的に葉面散布してください。
※特別な場合を除いて、いばらキッス・やよいひめは必要ありません。
※ジベレリン液剤を40mlを200㍑に薄めて1ppm、約66㍑に薄めて3ppmです。
☆液肥のかん水について☆
なり疲れ予防と果実の品質向上、頂部軟質果軽減には、最低限必要な追肥です。
アミノキッポ10㎏もしくは、アミノっキャッチP10㎏ と トーシンCa2号10㎏を交互に週1回定期的にかん水してください。
※アミノキャッチPは、新チャンス液以外の液肥とは混用できません。
☆根への酸素補給に
MOX10㎏(10a)を月に1回定期的にかん水してください。
※特に圃場に水が溜まる場合は10日に1回5㎏をかん水してください。
☆果実肥大促進と天候不良対策に
果実の肥大が悪く、果実が細くなってきたら新トーシンPK10㎏をかん水してください。
※各果房の果実肥大期に「エルエス」2㎏を混用すると果実肥大に効果的です。
曇天が3日続く時には、曇天の日に新トーシンPK10㎏をかん水してください。
葉色の色が抜けてきたら、新チャンス液S10㎏+メリットM3㎏を10~15日おきに2~3回かん水してください。
以上、まだまだM寒い日が続きますが、お体をご自愛いただき、おいしいイチゴ生産を行ってください。
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