イチゴ栽培情報~親株の管理~

平素は、茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。

全開の時にも書きましたが、桜が例年になく早く咲いてきております。

茨城も開花宣言は出ていませんが、日立で桜が咲いたとニュースでやっておりました。

今年の天候も大丈夫か?

と、心配になってしまいます。

さて、イチゴ栽培ですが、収穫で忙しい毎日をお過ごしのことと思いますが、SNSでイチゴ情報をアップされている方も書かれていましたが、次期作の準備も確実に始まってきております。

もうすでに親株の定植を終えられている方もいると思います。

昨年は、イチゴの苗を確保するのに、多くの方が大変な思いをしたのでは無いかと思っております。

ここ数年、炭疽病やイオウ病、またコバエなどの幼虫による食害なども多く見受けられるようになっております。ですので、炭疽業・イオウ病・害虫等の防除をしっかりと行ってください。そして、しっかりときちんとした時期にきちんとした管理を行うよう心がけてください。


【管理スケジュールの目安です】

3月上旬~施肥・薬剤散布の開始

・親株の根が動き始まったら炭疽病。イオウ病を中心に7~10日おきに定期的に防除を行ってください。また、これからの時期以降は肥料を切らさないでください。

3月20日頃~親株定植

・とちおとめの親株は必ず3月中に定植してください。

いばらキッス、やよいひめは、4月中に定植してください。

4月1日頃~施肥開始(プランター)

・プランターや大型ポットに定植の場合、活着後速やかに施肥を実施してください。施肥は、液肥または追肥用化成肥料の方がロングタイプの肥料に比べてランナーの発生が良いです。

4月20日~初期の弱いランナーの整理を!

最初に発生する弱い(赤い)ランナーを整理すると親株の草勢が強くなり、良いランナーがそろって発生します。

5月1日頃~

この時期でも、まだ夜温が10℃前後の日は、夜間保温を行ってください。


採苗の準備)

基本的には、保温のできるハウスで採苗を行い、日中20℃以上、夜間10℃以上で温度管理を行ってください。近年は、病虫害の発生や天候不順による生育不良、根腐れが多く見受けられます。充分な本数の親株の確保と適正時期に親株を定植することをお願いいたします。

また、育苗期間にしっかりと光をあてられるようにしてください。頂花房の奇形果や脇果房の分化のバラつきや根腐れの発生は、育苗期間中遮光ネットをかけっぱなしの圃場に多くみられます。育苗圃場は遮光ネットが上げ下げできるように設備してください。

かん水について)

親株の頭上からのかん水は、病気の蔓延の原因になりますので、行わないでください。点滴チューブを使用したり、マルチを利用して、親株元だけにかん水できるように設備してください。基本的には、親株にしっかりとかん水されていればランナーが水不足なる事はありません。ランナー部分は、必要に応じて手かん水もしくは、ミストかん水で灌水してください。

また、ベンチ採苗でない場合、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば、先焼けなどを軽減できます。

プランターやポットを使用する場合は、ポット内の高温による根腐れ防止のため、タイマーで2~3時間おきに1日4~6回のかん水ができるように設備を行ってください。

ランナーの管理)

親株定植後、初期に発生する細いランナーはなるべく短いうちに取ってください。これを残してしまうと、親株に負担がかかり、親株の初期生育が停滞して結果的にランナーの発生が少なくなってしまったり、苗の大きさがバラつき、花芽の分化がバラツキます。

また、初期にランナー取りしないで、4月後半に出ているランナーを一度に採ってしまうのは、逆効果になり、ランナーの発生不足になる事がありますので、注意してください。

先焼けは、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば、軽減できます。

特に、次郎苗の先が伸びている時期が焼けやすいので、この時期じはきちんと葉数を整理したり、遮光をかけたりして注意してください。

わき芽や葉の管理)

強いわき芽は残してあげて、2~3芽ぐらいで管理した方がランナーの発生数は多くなります。しかし、芽を残し過ぎて葉数が多くなり、根からの吸水量よりも葉からの蒸散量の方が多くなると、葉の展開が止まったり、ランナーの先焼けの原因になります。芽の数にもよりますが、親株の葉数は10~15枚程度で管理して、ランナーの葉も3枚程度で管理してあげるとランナーの発生もよく、苗も生育・花芽分化ともに揃った良い苗が採れるようになります。

㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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