イチゴ育苗期の管理について

平素は茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、誠に有り難く深く深く御礼を申し上げます。

さて、

気が付いたら、7月も中盤です(汗)

そして、5月20日以降「更新をしていなかった」という事実。

日にちをみて、管理者は驚きました。

こんなに更新をしていなかったのか~    と

本当に申し訳ありません。   しかありません。

イチゴのついても、親株の管理後半をアップしたきりになっておりました。

ただただ反省しきりです。PCの前で頭を下げる管理者であります。

ということで、反省をしながら改めて更新をしてまいりますので、いつもご覧いただいている皆様、よろしくお願いを申し上げます。

さて、本題です。

「イチゴの育苗期の管理」についてです。

イチゴの育苗も、受けの方の切り離しを始まった方もいらっしゃると思います。今回は育苗についてアップして参ります。

まずは、追肥と葉面さんについてです。

(一株当あたりの窒素の目安140~200mgです)

●ポット錠ジャンプP25の施用時期(1錠/窒素60㎎・1株)

ポット錠ジャンプの肥効は、施用後およそ25~30日です。現在のイチゴの育苗は、夜冷で60~70日、無処理で70~90日以上になっており、成分量的にも肥効期間的にも不足しております。特に、今年のようにこれまでが天候不良で、8月が暑い年は不時出蕾や芽無しが多く出ます。芽無しの防止や確実な花芽分化のために、置き肥の2回施用や液肥との併用を行ってください。

※キノコバエの被害が出ている圃場では、ポット錠ジャンプの施用はお控えください。

※マイクロロング、IB化成を使用する場合、効きはじめるのが遅いので、活着後1~2回アミノキッポなどの液肥をかん水してください。

●発根促進と定植後の活着促進

近年、育苗期間が長くなってきているので、苗の老化防止と徒長抑制に8月上旬と定植2週間前頃にポット抜きを行って、発根を促し苗の老化を防いでください。

  根っこりん 300倍 + アミノメリット青 300倍
              ↓
    ポット抜き後、混用して1~2回かん水してください。

●追肥の時期と方法について

窒素の切り過ぎは、不時出蕾の原因や、展葉の停滞により花芽分化が遅れる場合はあります。しかし、ここ数年の気温上昇で夜冷でも花芽分化が遅れてきております。育苗後半には、窒素レベルが高くならないように注意してください。

窒素の目安は、硝酸イオン試験紙で以下の通りです。

・とちおとめ
無処理場合   8月中  100~250  9月以降 50~100
水夜冷の場合  処理期間中 100~250  分化後 100~500
クーラー夜冷の場合 処理期間中 100~500 分化後 100~500

・いばらキッス、やよいひめ
無処理の場合  8月中 100~250  9月以降 10~50
夜冷に関しては、とちおとめと同様です。

・液肥施用の目安は、7000本の苗に「アミノキッポ」1㎏を3~5日おきにかん水してください。(1回に窒素約10㎎/株)

●葉面散布 

ポイント→花芽分化促進のために、夜冷の場合も行ってください。

ここ数年は秋の高温や曇天のために、分化が遅れたり、分化後の花芽の成長が遅れたりして、収穫開始が遅れたり腋花の分化の遅れやバラつきが目立ちます。しっかり花芽を分化させて、成長させるためには下記の葉面散布をしっかりと行ってください。

8月20日以降に
  メリット赤 300倍 (又は ホップアップ 300倍)を
  毎日葉面散布してください。

※徒長してしまった場合は、根っこりん500倍を週1回混用してください。

※夜冷処理を行う場合は、ホップアップを使用してください。

次に「葉かき」です。

ポイント→今年は例年より1枚多く管理してください。

葉数は、開花時に8枚以上が理想です。今年は7月の天候不良や8月の高温により根っこが弱く、葉の蒸散も悪いので、通常よりも葉を残し気味に管理してください。

最終的には、検鏡時の葉数+未展開葉=8枚以上になるように管理します。8月15日頃に4枚程度になるように管理し、8月20日頃に2.5枚~3枚に揃えるように葉かきを行い、その後定植までは葉かきを行わず、葉数5~6枚の苗を定植してください。

夜冷を行う場合は、夜冷開始時に2.5枚~3枚に葉数を揃えるように葉かきを行い、花芽分化までは、3.5~4枚程度で管理して分化後は葉数を増やしてください。

また、育苗期の葉かきに関しては、必ず葉柄の途中から切らずにきちんと欠いてください。

次に「かん水と温度管理」です。

☆良い苗の育成と病虫害の蔓延防止のために

今年の苗は、根が弱く徒長しています。葉数が3枚、4枚となっていくにしたがい、葉からの蒸散も増えてくると例年よりもシオレや焼けが多くなると思われます。午後からのかん水を行う時には、下記の手順で行ってください。また、曇天が続く場合は、培土は乾いてからしっかりとしたかん水を行うようにして、何日も軽いかん水をしないようにしてください。

 1)必ずポットを抜いて培土が中まで乾いているか確認してください。

 2)遮光ネットをかけてポット内部の温度を下げてから行ってください。

 3)その後は、翌朝まで遮光ネットをかけたままにしてやるか、夕方気温が低くなってからはずしてください。

 4)かん水の量は、夜間の過剰な水分は徒長の原因になりますので、葉水程度にしてください。

以上に注意して行ってください。また、外気温が30℃を超えるような場合は、日中遮光ネットなどをかけてシオレや焼けを防いでください。

次に「花芽検鏡」です。

花芽の検鏡は必ず行ってください(重要)。特に、ここ数年は夏の高温などにより花芽の分化は遅く、非常にバラつきが大きくなる傾向にあります。夜冷の場合は、8月下旬に1回行い、無処理では9月10頃からを目安に行いましょう。

この時に、まだ花芽分化していない場合は必ず再度検鏡を行ってください。

定植は花芽分化後(分化後期以降)2~3日待ってから行ってください。苗にしっかり追肥を行いながら定植時期を少し遅らせて定植したほうが良い結果になるので、しっかり花芽が分化してから定植してください。

最後に「定植前の管理」です。

☆ダニは苗からの発生によるものがほとんどです。定植前には成虫、卵、ともしっかりと防除を行ってください。

☆定植前日または、当日に活着促進とダニ防除として、

 根っこりん300倍 + モベントフロアブル500倍を混用して充分に灌注してから定植してください。

☆花芽の確認後(ガク片形成期以降)から、定植して葉が1枚展開するまでの間、「アミノメリット青」500倍液を定植後活着まで2~3日おきに1回葉面散布してください。「ホップアップ」300倍は週1回定期的に散布してください。   

㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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