ミズナの高温期における生理障害・品質低下について
日頃より、茨城生科研に対し多大なる御支援と御愛顧を賜りまして、
誠に有難く厚く御礼申し上げます。
さて、二日続けての投稿ですが・・・
事務所所在地の笠間市岩間地区は、久しぶりにしっかりと雨が降ってくれました。
ちょっと余談なのですが、今年から秋冬人参の栽培をちょこっとだけ(20a)始めるんですけど
判断を誤りました(焦)
こんなことなら、肥料を散布しておけば・・・
とてもいい状態で播種できたのに・・・・・
と、代表して取締られ役は悔やんでおります。この判断ミスで、物凄く忙しくなってしまいそうです。ニンジン・キャベツ・キャベツ・・・定植が続きます。
さて、本題に戻りまして
昨日、葉菜類向けの高温対策について、「茨城生科研通信六号」を発刊いたしましたが、
それを、ブログバージョンは、もう少し突っ込んで掘り下げたいと思います。
なので、今回は「ミズナ」に特化していきたいと思います。
茨城県の栽培面積は、かなりのもんです。(確か全国1位ではないかと)
そんな中でも、今年は例年より?高温乾燥が続いております(今日は降っていますが)。
毎年なんですが、この時期には播種前のかん水不足や、かん水ムラが原因で、発芽や生育の悪い(揃わない)圃場が比較的多く見受けられます。
高温期には、収穫終了時から播種までの期間になるべく多く、長い時間かん水を行う事をおススメいたします。
特に、「ミズナ」は根っこに硫酸化合物質を蓄積する性質があるので、圃場のECが高くなると、マダラに葉色が抜けたり、発芽率が悪くなったり、さらには生育がバラつき事が考えられます。
そのために、しっかりとかん水を行い、圃場の塩分を抜いてあげる必要があるのです。
また、ハウスの両サイドやかん水チューブ付近が、かん水過多のため、窒素切れを起こして、葉が黄化してしまう圃場もあります。
かん水や雨が降ったときの雨水の入り込みが原因で、窒素分が流亡してしまうのが原因と考えられます。色抜けが始まってきた頃から、アミノメリット等の葉面散布や、少量の追肥などを行なって、症状は軽減できると思いますので、ぜひ実践するようにして下さい。
【葉面散布】
高温期の縁枯れ、先枯れやマダラに葉色が抜ける症状は、カルシウムや微量要素の欠乏や吸収障害が原因と考えられます。
今年は、特に日差しが強く乾燥しているので、例年に比べてさらにこれらの障害の発生が予想されますので、暑さが本格的になる前にしっかりと対策を行う様にして下さい。
メリット赤 500倍 + カルタス 500倍
を生育中盤から5~7日おきに2~3回葉面散布を実施して、カルシウムや微量要素の欠乏、軟弱徒長を抑制して下さい。
また、強い太陽光線による圃場の土の温度の上がりすぎによるカルシウムの吸収阻害や、土壌の極端な乾燥と、かん水の繰り返しによる地表への塩類集積でも発生します。
気温が30℃を超えてくる時期からは、20~30%程度の遮光を行い、強い太陽光線を弱めてやるとより効果的です。特に、葉水を使用する場合は、マダラ葉が出やすいので必ず遮光を行なってください。
【圃場の準備と残さの腐熟促進】
ミズナの根っこには、上記にも書いた様に硫酸化合物質を蓄積する性質があります。この硫酸化合物のせいで、圃場のECが高くなり、マダラに葉色が抜けたり、発芽率が悪くなるなどの連作障害が起きてきます。
連作障害を防ぐために、地温が高く、分解の進みやすい暖候期に、収穫後残さを出来るだけ分解させて、土壌のECの上昇を防ぎましょう。
そのために、
土こうじDX 4袋 と ユーキフルペレット 4袋
(共に10aあたり)
を残さをすき込む前に施用して、すきこみを行なってください。
すきこみ後、かん水をして2週間以上たってから、塩類を流すように出来る限り圃場にたくさんのかん水をしてから、圃場の準備を行なってください。
圃場を一定期間遊ばせることにはなりますが、土壌の劣化を抑えるには大切な作業ですので、必ず実施して下さい。
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