イチゴの2~3月にかけての管理について
平素は、茨城生科研に対し多大なる御支援と御愛顧を多くの皆々様から賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。
ところによっては、春一番が吹いたところもあるみたいですが、事務所所在地の茨城県笠間市岩間地区は多少の風があるものの、春一番とまではいかないようです。
さて、前回は次年度のイチゴの管理、親株についてアップいたしましたが、今回は現在進行形のイチゴの栽培についてアップして参ります。
3月以降は気温の上昇や日長がが長くなることで、株が伸びてきますが根っこは平均地温が18℃以上になってこないと発生しません。ですから、この時期の管理が暖候期の果実品質に大きく影響します。暖候期にもしっかりした品質の果実を収穫するためには、この時期に吸収する肥料のバランスが窒素に偏ったり、養分自体が不足していると、果実が細くなったり、軟質果が出てしまいます。温かい時期の方が吸収量。光合成量も増え、株も大きいので実際には冬場よりも肥料がたくさん必要なのです。不足している養分を積極的に追肥して、暖候期に向けての品質の向上や、果実肥大の促進の対策を行なってください。
1)葉かきについて
今年は、うどんこ病やダニの発生が非常に多く、今後もかなりの発生が予想されます。この時期に、収穫が終わったかんざしよりも外側の葉を整理して下さい。
同時に小さいわき芽も取り除いてください。8~10枚の葉があれば充分ですからしっかりと葉かきを行なってください。また、「やよいひめ」はやや強めの葉かき、「いばらキッス」は果実が日陰になるように葉の管理をするのが良いでしょう。
2)果実の傷み軽減のためのかん水管理
ポイント!毎日かん水を行いましょう!
「とちおとめ」はかん水が不足すると果皮が弱くなり痛み果が出てしまいます。
暖かくなってからは、冬場よりも蒸散量が多くなります。しっかりとかん水して下さい。
「いばらキッス」や「やよいひめ」などの品種は、暖候期の多かん水は果実の軟化を助長する事がありますので注意して下さい。
3)毎日の換気について
ポイント!日中は、ハウス内気温を20℃以上に保ちましょう。また、夜温が高いと軟質果や首抜け果が出てしまいます。夜温の上げすぎに注意しましょう。
午前中→20℃~25℃で管理
ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げすぎると発生します。また、30℃以上では光合成が停滞します。
午後→25前後で管理して下さい。
午後は、午前中よりも温度が必要ですが、夜温が高くなりすぎないように注意して下さい。
夜間→10℃以下で管理して下さい。
夜間の気温の上げすぎは果実の品質低下の原因になります。
最低気温5℃で内張り全開!
最低気温7℃で外張り全開!
4)果実の品質向上と肥大促進のために葉面散布を実施しましょう!
ポイント!リン酸で果実肥大促進、カルシウムで傷み果の軽減を!!
日照時間が長くなってくると株が徒長します。株の徒長は奇形果や軟質果、チップバーンの原因になります。葉面散布で養分のバランスを整え、果実の品質低下を軽減しましょう。
・対策
メリット赤300倍 + カルタス500倍
を混用で5~7日おきに定期的に葉面散布して下さい。
※ダニが発生している株が萎縮している場合は、メリット赤をアミノメリット青500倍に変えて散布して下さい。
・暖候期の徒長抑制と新根の発生促進に、日長が12時間を超えてきたら
根っこりん300倍 + アミノメリット青 500倍
を5日おきに2回以上葉面散布して下さい。
5)根っこをしっかり張らせ、なり疲れを防止する液肥管理(表記は10a当りです)
・果実の肥大促進、首抜け果の軽減に、週1回を目安に
アミノキッポ3号(または、アミノキャッチP)5kg
をかん水して下さい。※エルエス2kgを混用すると、より果実肥大に効果があります。
・チップバーン軽減と軟質果対策。日持ちの向上に
月2回トーシンCa2号 5kgを定期的にかん水して下さい。
※トーシンCaは他の液肥と混用できませんので注意して下さい。
・暖候期の徒長抑制と新根の発生促進に、3月に入ったら
新チャンス液S 5~10kg + メリットM 3kg
を10日おきに2~3回かん水して下さい。
以上、春は確実にやってきます。
より良い品質のイチゴを消費者に届けるためにも、上記の対策を参考に行なってください。
上記の資料をjPEGにて添付いたしましますので、個人の責任において使用してください。
0コメント