イチゴ 親株の管理について

平素は茨城生科研に対し、多大なる御支援と御愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼申し上げます。


さて、相変わらずイチゴネタが多い当社のHPですが(汗)

今回もイチゴの情報をアップして参ります。

「親株」についてです。


まずは、採苗の準備からです。

基本的には、保温できるハウス内で採苗を行い、日中20℃夜間10℃以下の時には、保温を行なってください。近年は、夏から秋にかけて天候不良や定植後の降雨による初期生育の停滞、保温やマルチ作業の遅れなどが原因による頂果、腋果の奇形、腋果の花芽分化の遅れやバラつきが目立つようになって来ました。

その原因の一つとして株が強すぎる事が挙げられます。

株が強くなりすぎることを防ぐためにも、親株はメリクロン苗から3代以上、フリー苗でも2代目以上の苗を親株として使用して下さい。

また、しっかりと土壌分析診断を行い、品種や圃場に合った適正な施肥を行う事も重要なポイントです。

頂果房の奇形果や腋果房の分化のバラつきや根ぐされの発生は、育苗期間中遮光ネットを掛けっぱなしの圃場に多く見受けられます。育苗圃場は遮光ネットが上げ下げ出来るように設備して下さい。


次に「かん水」について

親株へのかん水は、点滴チューブを使用したり、マルチを利用したりして親株元だけにかん水出来るように設備して下さい。基本的には、親株にしっかりかん水されていればランナーが水不足になることはありません。ランナー部分は必要に応じて手かん水もしくは、ミストかん水で灌水して下さい。かん水チューブや頭上潅水での水はねは、根ぐされやイオウ病やタンソ病の原因になりますので注意して下さい。

また、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば、先ヤケなどを軽減できます。ランナーの発生は、かん水量と比例します。充分なかん水を行なってください。

プランターやポットを使用する場合は、夏場の高温による根ぐされ防止のためにタイマーで2~3時間おきに1日4~6回のかん水が出来るように設備して下さい。


更に「ランナーの管理」について

親株定植後、初期に発生する細かいランナーは、なるべく短いうちに取り除いてください。これを残してしまうと、親株に負担がかかり、親株の初期生育が停滞して結果的にランナーの発生が少なくなってしまったり、苗の大きさがバラつき、花芽の分化がバラつきます。

また、初期にランナー取りをしないで4月後半に出てくるランナーを一度に採ってしまうのは逆効果になり、ランナーの発生不足になることがありますので注意して下さい。

先ヤケは、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば軽減できます。特に、次郎苗の先が伸びる時期が焼けやすいので、この時期にはきちんと葉数を整理したり、遮光をかけたりして注意して下さい。


最後に「わき芽や葉の管理」について

強いわき芽は残してあげ、2~3芽ぐらいで管理した方がランナーの発生数は多くなります。

しかし、芽を残しすぎて葉数が多くなり、根からの吸水量よりも葉からの蒸散量の方が多くなると葉の展開が止まったり、ランナーの先ヤケの原因になります。芽の数にもよりますが、親株の葉数は、10~15枚程度で管理して、ランナーの葉も3枚程度で管理してあげるとランナーの発生も良く、苗の生育、花芽分化ともに揃った苗が取れてまいります。


以上、早くも次年度のスタートになります。

今作がまだまだ終わっていませんが、良いイチゴつくりの参考にしていただけると幸いです。

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