イチゴ~暖候期の管理(果実の品質向上)について~
平素は、茨城生科研に対し多大なる御支援と御愛顧を多くの皆々様から賜り、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
春に三日の晴れ無し
と言う言葉がありますが、先週までは本当にその言葉通りに良く雨が降ってくれました。
でも、今週からはしばらく良い天気が続くみたいです。
茨城県の水戸でも、いよいよ桜の開花の便りがやって来ました。
事務所所在地の笠間市でもポツポツ咲いてきております。
さて、本題です。
4月が近づいてきて地温も上がってきております。春根が伸びてきます。この時期は光合成量や呼吸量も増え、収量も株の大きさも増加してきます。
一年でイチゴにとって一番養分が必要な時期です。
この時期に、養分不足になると果実の品質が悪くなったり、細長い肥大不足の果実になってしまいます。暖候期にもしっかりした品質の果実を収穫するためには、この時期にしっかりと養分を補給して、日中しっかり光合成させてあげる事が大切です。不足している養分を積極的に追肥して、暖候期の果実の品質向上に向けて対策を行ないましょう。
1)葉かきについて
今年は、うどんこ病やダニ、アザミウマの発生が非常に多く、今後もかなりの発生が予想されます。
定期的な防除に加えて、この時期に収穫が終わったかんざしよりも外側の葉をしっかりと整理して下さい。うどんこ病が発生している場合は、特にかんざしの整理は重要です。
同時に小さいわき芽も取ってください。
8~10枚の葉があれば充分ですからしっかりと葉かきを行なってください。
2)界の傷み軽減のためのかん水管理を実施しましょう
☆毎日かん水しましょう☆
「とちおとめ」はかん水が不足すると果皮が弱くなり傷み果が出てしまいます。
暖かくなってからは、冬場よりも蒸散量が多くなります。しっかりかん水を実施して下さい。暖候期は、午後からのかん水を行う事でハウス内の夜温の上昇を軽減する事が出来ます。
また、いばらキッスなどの品種は、暖候期のかん水は果実の軟化を助長する事がありますので注意して下さい。
3)毎日の寒気
日中の温度を下げすぎてしまうと、光合成不足で果実がいたみやすくなります。また、夜温が高いと軟質果や首抜け果が出てしまいます。
午前中温度管理→20~25℃で管理して下さい。高温多湿にならないように注意して下さい。
30℃以上では光合成が停滞します。
午後の温度管理→25℃前後で管理して下さい。涼しい日には日中保温をして夕方以降は、換気して夜温の上がり過ぎに注意して下さい。
夜間の温度管理→10℃以下で管理して下さい。夜温の上げすぎは品質の低下につながります。
最低気温が3℃で内張り全開に! 最低気温が5℃で外張り全開!です。
4)果実の品質向上と肥大促進のための葉面散布。
☆リン酸で果実の肥大促進。カルシウムで傷み果の軽減を☆
日照時間が長くなってきて、株が徒長してきます。株の徒長は奇形果・軟質果・チップバーンの原因になります。葉面散布で養分のバランスを整え果実の品質低下の軽減を行ないましょう。
メリット赤300倍+カルタス500倍
混用して5~7日おきに定期的に葉面散布を行なってください。
暖候期の徒長抑制と新根の発生促進に、日長が12時間を超えて来たら
根っこりん300倍+アミノメリット青500倍
混用して5日おきに2回以上葉面散布して下さい。
5)根をしっかりと張らせ、なり疲れを防止する液肥管理を実施して下さい。(量は10a当り)
果実の肥大が悪く、細長い果実が出る場合は
トーシンPK 5kg
を7日おきにかん水して下さい。※エルエス2kgと混用すると、特に果実の肥大に効果があります。
チップバーンの軽減と軟質果対策、日持ちの向上に
トーシンCa 5kg
を週1回定期的にかん水して下さい。※トーシンCaは他の液肥などと混用は出来ません。
暖候期の果実の品質向上と小玉果実の抑制に
アミノキッポ 5~10kg
を月に2回かん水して下さい。
葉色が抜けている時や微量要素補給に
メリットM3kg+新チャンス液S5kg
を15日おきに2~3回かん水して下さい。
と言うことで、上記の管理を行ってよいイチゴの生産を行なってください。
さて、今回はもう一ネタ!
上記にも一部記載がありましたが、
「根っこりん」
についての、動画を㈱生科研さまが作成してくれました。
内容は、イチゴへの発根が中心になっております。
是非ご覧頂けます様お願い致します。
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