イチゴ栽培~7月の管理~

平素は、茨城生科研に対し、多大なる御支援と御愛顧を賜りまして誠に有難く深く深く御礼申し上げます。

しかし、急に暑くなってまいりました。

先週は比較的曇天が続いてヒンヤリとした状態が続いておりましたが、日曜日から急激に暑くなって体がちょっとついていけない状況になっております。


さて、本題に入る前に

弊社の事務所所在地の笠間市岩間地区のスーパースターが、また大記録を達成してくれました。

その方は、畑岡奈紗選手女子プロゴルファーです。

昨日の米国において、ウォルマートNWアーカンソー選手権で、日本人選手の最年少記録を塗り替えて優勝いたしました。

地元笠間市の山口市長も「畑岡半端ない」としっかりと流行りに乗ってコメントを出されておりました。

身近な選手だけに、大変めでたい出来事に、じもとの熱気も気温同様熱くなっております。


さて、本題に戻ります。

今回は?今回も?イチゴの栽培情報をアップして参ります。

題して、7月の管理について

です。

今年は、天候に悩まされるような状況になっております。

まだ6月だと言うのに、梅雨明け?しちゃうのって感じの天候になっております。

おそらく、万が一梅雨明けしてしまったら、きっと非常に暑い日が続くのではないかと思っております。

そのような状況で次のが非常に重要になってきます。

梅雨が明けて、猛烈に暑い日が続く頃までには、苗がしっかりと活着しているように、早め早めに管理の作業を行なってください。


また、今年は例年以上に親株のうどんこ病、ダニの発生が非常に多いので、防除作業をしっかりと行う様にして下さい。


1)親株時の管理  ポイント!親株の肥料切れに注意しましょう。

プランターやポットでの親株定植後は、肥料切れに注意して下さい。液肥の場合は最低2~3日おきにアミノキッポ300倍液をかん水して下さい。自動かん水の場合は、あまり高濃度で潅水のたびに液肥を混入するよりも、1日1回の施用にするか、EC0.5~0.8程度の濃度のほうが、良い苗が取れます。

粒状の肥料の場合は、追肥用の化成肥料のような即効性の肥料を2~3週間に1回程度、採苗の終了までしっかりと追肥を行なってください。

有機肥料は、コバエやカビなどの発生の原因になりますし、ロングタイプの肥料では、肥効が遅すぎて、ランナーの発生は良くありません。特に、直受けの場合は後半の親株の窒素切れで、芽無し株が多く発生してしまうケースが多いです。切り離しまでしっかりと追肥を行なってください。


かん水量(回数)=ランナーの発生数です。

親株への潅水は、常に株元が充分の濡れるようにして下さい。プランターやポットなどに親株を植え替えている場合は、暑い時期には培土の温度が上がりすぎないためにも、根の酸欠防止のために、日中2時間おきにかん水を行い、1回1回のかん水が必ずプランターの下から水が出てくるまで行なってください。


葉かきとランナーの管理

ランナーの先枯れ防止と、ランナーの発生促進のために、次郎苗の展葉時期に葉かきを行なってください。葉数は1芽の場合は10枚以下、2~3芽でも12~13枚程度が目安です。また、大きくなった太郎苗や次郎苗の葉数も2~2.5枚程度に整理してあげると効果的です。

ランナーは、次郎苗の展葉時期頃から先枯れが出始めます。この頃までに、つる配りを行いランナーの先端をしっかりピンなどで固定し、親株にしっかりかん水をしてあげれば先枯れはかなり防ぐ事ができます。また、直受けの場合、切り離す前からランナー苗の葉数を揃える様に管理すると、苗の大きさや花芽が揃うようになります。

また、育苗期の葉の整理に関しては、根元からとる方法と葉柄の途中から切断する方法があります。

新しい根っこは、葉かきをした後の三日月型の切り口から発生するので葉柄の途中から切断したり、きちんと葉が取れていない場合場合は、新しい根っこは出てきません。新しい根っこを増やしたい場合は、きちんと根元から取って下さい。また、イチゴの葉がきちんと大人になって仕事をするのは展葉20日頃からです。働き盛りの3枚目以降の葉をしっかりと確保して育苗して下さい。


2)採苗期の管理

・さし芽での採病の場合

さし芽の適期は6月15日~30日頃です。梅雨明け前に活着するように行い、7~10日程度しっかり遮光を行い、徐々に遮光を取っていくようにしてください。また、夜冷を行う場合は、夜冷開始1ヶ月前には苗が活着するように作業を進めてください。作業が遅れて7月以降になってしまった場合は、直受けをおススメいたします。


ランナー切り離し前日にアミノメリット青500倍液+ファイトオーツー1,000倍液を葉面散布、もしくは採苗した苗をどぶ漬けして下さい。ポットの土には、新チャンス液S300倍液などの発根剤をかん水しておいてください。さし芽後は、アミノメリット青500倍液を葉が1枚展開するまでの間、2~3日おきに葉面散布して下さい。


・直受けでの採苗の場合

受け始める時期は、6月中旬頃からで、受け始め時点で展葉4枚以上の苗は、芽無しが出やすいのでなるべく使用しないでください。


ランナーの発生から切り離しまでの間、常にすべての苗の葉数は2.5枚程度になるように管理してあげると、苗の大きさや花芽の分化が揃いやすくなります。また、苗の徒長やランナーの先枯れも防げます。


切り離しは、7月中旬ごろまでに行なってください。夜冷をかける場合は、夜冷開始1ヵ月前を目安に切り離してください。ただし、梅雨明け時期の曇天続きの後の高温になる時に切り離すとシオレが強くなり、その後の生育に影響しますので、注意して下さい。また、芽無しの予防に切り離し前日にアミノメリット青500倍液を葉面散布して下さい。


3)育苗期の管理
・遮光について

ここ数年は、夏の高温のために遮光をかけたままで育苗する方が多いのですが、夏季にしっかり日を当てて育苗した方が、徒長抑制ばかりではなく、頂花の花質や腋花の分化の揃えが良かったです。なるべく育苗中は、特に暑い日の日中以外は、しっかり苗を日に当てて育苗して下さい。


・置き肥の施用について

ポット錠ジャンプP25は、肥効期間が25~30日です。施用時期はさし芽後の10~14日頃です。直受けの場合は切り離し後に施用して下さい。イチゴの育苗期間は60~80日ですので、1回の置き肥では肥料切れを起こしてしまいます。液肥での追肥を併用するか、施用後30日頃に再度施用して下さい。くれぐれも肥料切れに注意して下さい。また、直受けの場合、リン酸の低い置き肥を使用するとリン酸欠乏を起こす事例も良く見ますので、注意してリン酸の追肥も行なってください。


・かん水の方法

さし芽後、活着までの5~7日間は、常に葉の表面が乾かないように、1日数回葉水を掛けてください。最近は、この時期の高温多湿による生育障害が多く見られますので注意して下さい。活着後は、葉が3枚、4枚となっていくにしたがい、必要な水分量も増えてきます。気温の高い日には、ポットの乾き具合によっては、午後かん水を行ないますが、午後かん水を行う場合は必ずポットを抜いて培土が中まで乾いているか確認してからかん水して下さい。その場合も、遮光ネットをかけてから行なうか、夕方気温が低くなってから行なってください。また、夕方や夜間の水分は徒長や根ぐされの原因になりますので葉水程度のかん水量にして下さい。


4)本圃関係
・堆肥などの施用について

基本的には、イチゴなどの果実の場合、鶏糞や豚糞を使用している堆肥は極力使用しないようにして下さい。最近のように、秋が暖かく冬が寒い気候では、奇形果や先青、頂部軟質果の原因になることがあります。堆肥などの投入時期についても、余分な残効を減らすために、ベッドを崩すときか太陽熱処理前に投入して下さい。



㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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