イチゴ~育苗期後半の管理について

平素は、茨城生科研に対し多くに皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。

前回5月に更新してからすっかり滞ってしまいました。

で、気が付いたらもう8月になるではありませんか(驚)

HP管理者として、ちょっと焦っております。

なので、これから挽回するためにも不定期ではありますが、気合を入れ直して更新していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

と言う事で、イチゴの育苗期後半についてアップして参ります。

イチゴの育苗も年々この異常なまでの高温の影響をもろに受けて、花芽の分化に大きな影響を与えております。

茨城県内(水戸気象台)のデータで、昨年と10年前の8・9・10月の気温データを比較してみたのですが、結論から言うと気温の低下がおよそ半月から1ヶ月ほど遅れてきているようです。

通説ではありますが、先輩生産者から話を聞くと9月のお彼岸頃になれば、定植しても花芽はできたもんだ、と言っておりましたが、気温の推移を見てみると、前に記載した通り気温の低下が9月の末以降というになっているので、中々厳しい状況が今年も続くのではないかと思っております。

だから育苗期間もおのずと長くなってきていますので、育苗期の肥培管理は非常に重要になってきますので、下記のを参考にしっかりとした苗を育苗するようにしてください。

1.追肥と葉面散布について

   1株当たりの窒素量は140~200mgが目安です。

☆ポット錠P25無機タイプの施用時期(1錠で窒素100mg/1株)

 ポット錠P25無機タイプの肥効は、50~60日です。現在のイチゴの育苗は夜冷で60~70日、無処理で70~90日以上になっており、成分量的にも肥効期間的にも不足しております。特に、最近の7月からの酷暑の年は、不時出蕾や芽無しが多く発生します。芽無しの防止や確実な花芽分化のために、置き肥の2回施用や液肥との併用を行うようにしてください。

注意※キノコバエの被害が出ている圃場では、従来のポット錠ジャンプP25ではなく、ポット錠P25無機タイプをお使いください。

※マイクロロング、IB化成を使用する場合は、効き始めるのが遅いので、活着後1~2回アミノキッポなどの液肥をかん水するようにしてください。


☆発根促進と定植後の活着促進

近年、育苗期間が長くなってきているので、苗の老化防止と徒長抑制に8月の上旬と定植2週間前頃にポット抜きを行って発根を促し、苗の老化を防いでください。

根っこりん 300倍とアミノキッポ500倍を混用して、ポット抜き後かん水施用を1~2回程度行ってください。

☆追肥の時期と方法

窒素の切り過ぎは、不時出蕾の原因や展葉の停滞により、花芽分化が遅れる場合はあります。また、近年の気温上昇(高温)で夜冷でも花芽分化が遅れてきております。育苗後半には窒素レベルが高くならないように注意してください。

窒素の目安は硝酸イオン試験紙で以下の通りです。

・とちおとめ  

     無処理 8月中は100~250 9月以降 50~100

     水夜冷 処理期間は100~250 分化後100~500

  クーラー夜冷 処理期間は100~500 分化後100~500

・いばらキッス、やよいひめ

     無処理 8月中は100~250 9月以降 10~50

     夜冷に関しては、とちおとめを参考にしてください。

液肥施用の目安は、7,000本の苗に対して、アミノキッポ1㎏を3~5日おきにかん水してください。(1回あたりの窒素量はおよそ10mg/株)

☆葉面散布について

秋の高温や天候不順の影響で、分化が遅れたり、分化後の花芽の成長が遅れたりして、収穫開始が遅れたり、腋花の分化の遅れやバラつきが多く見受けられます。しっかりとしたは花芽を分化させて、成長させるためにもしっかりと「葉面散布」を夜冷の場合も行ってください。

8月20日以降に

  ホップアップ300倍 もしくは メリット赤 300倍 を毎日葉面散布してください。

※苗が徒長してしまった場合は、「根っこりん」300倍を週1回混用してください。

※夜冷処理の場合は、「ホップアップ」を使用してください。


2、葉かきについて

葉数は、開花期に8枚以上が理想です。近年の7~8月の高温の影響により、根っこが弱く葉の蒸散も悪いので、通常よりも葉を残し気味に管理してください。

最終的には、検鏡時の枚数+未展開葉=8枚以上になるように管理します。8月15日頃に4枚程度になるように管理し、8月20日頃に2.5~3枚に揃えるように葉かきを行い、その後定植までは葉かきを行わず、葉数5~6枚の苗を定植してください。

夜冷を行う場合は、夜冷開始時期に2.5~3枚に葉数を揃えるように葉かきを行い、花芽分化までは、3.5~4枚程度で管理して分化後は葉数を増やしてください。また、育苗期の葉かきに関しては、必ず葉柄の途中から切らずに、きちんと欠くようにしてください。


3、かん水と温度管理 

葉数が3枚、4枚となっていくに従い、葉からの蒸散量も増えてくると例年よりもシオレや焼けが多く見受けられるようになってきます。午後からのかん水を行う時には、下記の手順で行うようにして下さい。また、曇天が続く場合は、培土が乾いてからしっかりとしたかん水を行うようにして、何日も軽いかん水をしないようにしてください。

   1)必ずポットを抜いて培土が中まで乾いているかを確認してください。

   2)遮光ネットをかけてポット内部の温度を下げてから行うようにしてください。

   3)その後は翌朝まで遮光ネットをかけたままにしてあげるか、夕方気温が低くなってから外してください。

   4)かん水量は、夜間の過剰な水分は徒長の原因になりますので、葉水程度にしてください。

以上に注意して行ってください。また、外気温が30℃を超えるような場合は日中遮光ネットをかけてシオレや焼けを防いでください。


以上ですが、

上記にも何度も書いておりますが、日中かなり温度が高くなっております。命に係わる温度ともニュースで報道されておりますので、作業をさせる場合には、熱中症に十分注意するようにしてください。

無理せず、こまめな給水、こまめな休憩をとるようにしてください。


㈱茨城生科研・AGRI WORLD

明るい豊かな農業社会の実現に向けて!

0コメント

  • 1000 / 1000