イチゴ栽培情報~厳寒期(年明け)の管理

平素は茨城生科研に対し多大なるご支援とご愛顧を賜りまして

誠に有難く厚く御礼申し上げます。

年が変わり、もう9日目になります。

連日寒い日と、乾燥が続いておりますが、風邪などひいていないでしょうか?

場所によっては、インフルエンザが猛威をふるっているところもあるみたいです。


昨年、わたくしもこの時期の体調を崩していたので。今年は用心して早い段階からマスク着用で、うがい手洗いを励行しております。

皆様もお体には十分気を付けて、お仕事にお励みいただければと思っております。


さて、年明け一発目のイチゴの栽培情報です。

昨年も同様のタイトルでアップしましたので、一部重複するところもあると思いますが、

ご容赦ください。

今冬は、気温が高めで降水量が多い?予報になっておりました。(昨年のクリスマスからほとんど降雨はありませんが・・・)

ただこれからは、わかりません。

この時期の降雪や曇天が続くような時期の管理がその後の作柄に大きく影響を及ぼします。

追肥や温度管理をこまめに、なおかつしっかり行い、品質の向上やなり疲れを防止する管理を行てください。


では、最初のポイントです。

☆イチゴの生育適温は20~25℃です。暖冬でもしっかりと保温しましょう。
☆降雨、曇天後の天気の良い日はミツバチを飛ばしましょう。
☆窒素は天気が続く時に、リン酸は曇天が続く時に追肥を行いましょう。
☆厳寒期はリン酸や微量要素の葉面散布を実施しましょう。


つぎに

☆地温確保のため毎日潅水を行いましょう。

厳寒期は、通常よりも井戸水の方が温度が高いので、潅水を行うことで地温が上がります。

毎日なるべく早い時間に潅水を行って、地温を確保してください。

☆降雪があった場合や、曇天が続く時には必ず毎日潅水を行ってください。


温度管理について

☆午後のハウス内温度が低くなっているハウスが多数見受けられます。午後の低温管理は、なり疲れの原因になります。午後の温度は25℃をキープしてください。
☆厳寒期の換気目安は、ハウス内の温度が8℃以上になったら内張りを全開にして外張り保温で25℃まで温度を上げてください。その後換気を行い、1時過ぎには外張りを閉めて、30℃まで温度を上げてください。ハウス内温度が20℃以下になったら内張りも閉めてください。


葉かきについて

春先への準備として、2~3月の比較的収穫の忙しくない時期に、収穫中の果房より下の葉やかんざしを整理してください。この時に病害虫の防除もしっかりと行ってください。また、ハダニやうどんこ病が多発して、葉かきを強くしたい場合には、葉を7~8枚残すようにしてください。


葉面散布について

☆今年は根っこが少ないので、地上部の草勢強くして冬を乗り切りましょう。

イチゴは、地温が20℃以上にならないと新しい春根は発生してきません。なので、春になり地上部が伸びてきても根からの養分吸収は、不足した状態になります。ハウス栽培の場合、窒素とカリはハウス内の温度管理をしっかり行えば、欠乏することは少ないですが、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が低下したままなので、軟弱徒長になり腋芽が多く、小さい果実ばかりになってしまいます。リン酸やカルシウム、微量要素を葉面から吸収させてやり、養分吸収のバランスをうまくとってあげることが、なり疲れ軽減のポイントです。


☆果実の品質向上と冬場のエネルギー補給に

ホップアップ300倍+カルタス500倍を5~7日おきに葉面散布してください

※ハダニ、うどんこ病が発生している場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更してください。


☆とちおとめのなり疲れ、休眠防止に

3月上旬までの間、ジベレリンを生育状況に合わせ1~3ppmで、20日に1回定期的に葉面散布してください。

※草勢は強い場合も薄い倍率で必ず時期に葉面散布してください。

※日照時間が12時間を超える3月上旬(中旬)までは、確実に行ってください。

※ジベレリン液剤40mlを200リットルに薄めて1ppm、屋久6リットルに薄めて3ppmになります。


液肥の潅水について

厳寒期の液肥の追肥は、いかにして葉の展開スピードを上げてあげることと、果実の品質向上を目的として行います。それには、吸収した窒素をいかに効率よく養分転換させるか、いかに多く吸収させてあげるかがポイントです。

窒素はアミノ酸や硝酸態窒素での補給により、食味の向上や、先白、先青の軽減になります。リン酸はポリリン酸での補給が、より地温が低い状態での吸収効率がよく、果実肥大やなり疲れ軽減に有効的です。

☆エネルギー補給と果実肥大に

果実が細くなった時や、曇天が続く時には、新トーシンPK5㎏を潅水してください。

※各果房の果実肥大期にエルエス2㎏を混用すると果実肥大に効果的です。

☆なり疲れ予防と果実の品質向上、頂部軟質果軽減に

1月以降はアミノキッポ5~10㎏、またはアミノキャッチP10㎏とトーシンCa2号5㎏を交互に週1回定期的に潅水してください。

※窒素は成分で、週に500g~1㎏程度補給できるように追肥を行ってください。

☆根っこの活性化と葉の色抜け対策に

1月から2月まで、新チャンス液S10㎏とメリットM3㎏を混用して15日~20日おきに定期的に潅水施用してください。

㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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