イチゴの厳寒期の管理について
平素は、茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なるご支援とご愛顧を賜り、心より感謝を御礼を申し上げます。
さて・・・
すっかり更新がなされておりませんでした💦
ちょっとバタバタしており、気が付いたらもう11月ではありませんか。
Instagramのほうでは、弊社の農産事業(キャベツ)を不定期ですが、写真をアップしているのでが、こちらではちょっとご無沙汰になってしまいました。
個人的な目標としては、できれば最低月1を考えているのでが・・・・
なので、気を入れなおして更新していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
ということで、ちょっと空いてしまいましたので、イチゴの厳寒期の管理について基本的には、いつもアップしているのと大きくは違わないですが、おさらいも込めてやっていきたいと思います。
例年の暑さで、花芽分化も遅れ気味で昔に比べるとかなり定植も遅らせているようです。ただ、もうこの時期になるとさすがに定植ではなくて、大部分の皆様はマルチ張りを行っているころだと思います。(もう終わっているかもいると思いますが)
でも、ちょっと前を振り返ってみると、
今年も育苗から定植期までの高温で、不時出蕾や根腐れが多く見受けられました。また、イオウ病等も育苗の後半から多く見受けられました。
11月の気象ですが、向こう一か月予報では、比較的温度が高く、曇天で日照が少なく、降雨も平年よりは多いとなっております。
このような年には、うどんこ病や害虫類が多く発生したり、腋果の分化遅れ、奇形果が多くなったり、厳寒期に休んでしまうことが多いです。11月までの比較的地温が高いうちに、しっかりと根を増やすことにポイントを管理していきましょう。
「管理のテーマ」
なり疲れの予防と果実肥大促進・品質向上のための追肥管理をしっかりと!
まずは、「葉面散布での管理」です
〇発根促進と腋果の分化促進
ホップアップ300倍+根っこりん300倍
5~7日おきに11月中は定期的に葉面散布を行ってください。
〇出蕾後、奇形果の軽減と厳寒期の軟質対策に
ホップアップ300倍+カルタス500倍
7~10日おきに適宜葉面散布を行ってください。
次に「かん水での追肥管理」です。
上記にも記しましたが、11月は高温・曇天が多い予報になっています。このような気候の時は、リン酸の補給が重要になってきます。なので、しっかりリン酸を補給していきましょう。
・活着後から収穫開始まで「新トーシンPK」5㎏・10aを7~10日おきに定期的にかん水してください。
※特に曇天が続く場合には、しっかりとリン酸の補給を行ってください。
※果実の肥大には、「液体ジャンプ」2㎏/10aを混用するとさらに効果的です。
・根の充実に「新チャンス液S」5~10㎏/10a+「メリットM」3㎏を10~14日おきに2~3回かん水してください。
・果実品質向上となり疲れ軽減対策に11月下旬から「アミノキッポ」5~10㎏/10aを7日おきに定期的にかん水してください。
<酸素補給>
土壌中の酸素不足を補うために、月に1回程度、酸素供給材「MOX」を10㎏/10aをかん水してください。
続いて「葉かき」についてです。
葉はイチゴの生産工場です。
葉が少ないと、品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかり管理してください。また、今年も脇芽が多くなりそうです。脇芽が多いと春以降の果実の品質が低下し、病害虫の多発の原因にもなります。少なくとも収穫等忙しくなるまでは、ひと芽で管理をするようにしてください。
・理想の展葉枚数の目安(芯の芽の数の枚数)
ポット育苗での場合
出蕾時 7~8枚 開花期 8枚以上 収穫期 10枚以上
無仮植当
出蕾時 5~6枚 開花期 6枚以上 収穫期 10枚以上
次に「温度管理について」
☆地温が20℃以下になると根の発生・伸長は止まってしまいます。
☆日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります。
「温度管理の目安」
朝→ハウス内の温度が20℃以上になったら、内張を両サイド全開にして、光を取り入れて地温を確保してください。
午前中→基本的に内張を開けた状態で、ゆっくり25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20~25℃で管理するようにしてください。
がく焼けは葉水の乾く前に急激に温度を上げすぎると発生します。
※30℃以上では、光合成が停滞します。
午後→午後は、午前中よりやや高い25~30℃で管理してください。内張は日差しのあるうちはなるべく開けておいてください。光線を取り入れて地温を上げて、夜温の確保に努めてください。
※日差しのあるうちは、ハウス内を20℃以下にしないようにしてください。
夜間→8℃前後を確保するようにしてください。ハウス内温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにして、内張・カーテンも早めに閉めるようにして温度の確保に努めてください。
※午後の低温管理は「なり疲れ」の原因です。午後の温度は25℃をキープしてください。
※朝の温度の上がりすぎや多湿は、がく焼けの原因です。十分に注意してください。
最後に「ジベレリン」についてです。
「とちおとめ」のなり疲れ、休眠防止に11月中旬ごろからジベレリンを生育に合わせて1~3ppmで、20日おきに処理するようにしてください。
※草勢が強い場合でも、薄い倍率で必ず行うようにしてください。
※ジベレリン液剤40mlを水20リットルに希釈すると1ppm、水約66リットルに希釈すると3PPMになります。
※特別な場合を除いて、「いばらキッス」「やよいひめ」は基本的に処理する必要はありません。
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