イチゴ栽培情報~定植前後の管理について
平素は茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なるご支援とご愛顧を賜り誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
9月も中旬となってきました。
ここにきて朝晩は少し過ごしやすくなってきておりますが、まだまだ残暑が厳しいみたいですので、皆様熱中症には十分に注意して農作業をしていただければと思います。
さて、今日は久しぶり?で若干遅くなってしまいましたが、
イチゴの
「定植前後の管理」
についてアップしてまいります。
ご存じのように、今年の7月の曇天(降雨)そして、8月の高温の影響で不時出蕾や根腐れが非常に多く、炭疽病、イオウ病も育苗後半から非常に多く見受けられます。
また、今後1か月予報では雨が多く、気温が高い予報になっております。このような年は、うどん粉苗が多く発生したり、腋果の分化が遅れ奇形果が多くなったり、厳寒期に休んでしまうことが多いです。10月までのまだ地温が高いうちにしっかりと根を増やすことが今年のポイントになってきますので、以下を参考に管理することをおススメいたします。
☆発根促進と定植後の活着促進☆
上記にも書きましたが、天候不順と暑さの影響で、根焼けや根腐れの苗が非常に多いです。病気でなくても、根焼けや根腐れでしおれている苗も少なくありません。
定植10~15日前に下記の管理を行い、根っこを活性化してから定植を行ってください。
1)まずはポット抜きの実施
そして酸素供給剤の「MOX」を300倍でかん水施用してください。
2)上記の2~3日後に、
「根っこりん」 300倍液を葉面散布してください。
☆追肥の時期と方法☆
・液肥施用の目安は、置き肥を置いてから30日ごろから定植までです。
7000本の苗にアミノキッポ1㎏を3~5日おきにかん水施用してください。
☆葉面散布☆
◎花芽分化促進のために、夜冷の場合も行ってください。
今年は、花芽の分化が遅れています。また、ここ数年は秋の高温や曇天のために、定植後の葉の展開や分化が遅れたり、分化後の花芽の成長が遅れたりして収穫開始が遅かったり、腋花の分化の遅れやバラつきが目立ちます。ですので、しっかりと花芽を分化させて、成長させるためにしっかり「ホップアップ」の葉面散布を行ってください。
・9月以降
メリット赤300倍もしくはホップアップ300倍
を毎日葉面散布してください。
※夜冷処理を行っている場合は、「ホップアップ」を使用してください。
☆定植前後の病害虫防除管理☆
※ダニは苗からの発生によるものがほとんどです。定植前には成虫、卵、共に週1回以上気門封鎖剤や本圃では使用できない薬剤などを使ってしっかり防除を行ってください。
※定植前日または当日に、活着促進とダニ防除として「根っこりん300倍+モベントフロアブル500倍」を混用して十分に灌注してから定植してください。
※花芽の確認後(ガク片形成期以降)から、定植して葉が1枚展開するまでの間、「アミノメリット青 500倍」を定植後活着まで2~3日に1回散布してください。活着後は「ホップアップ300倍液」を週1回定期的に散布してください。
※活着後うどんこ病の予防に活着後すぐとマルチ直前の2回イオウ粉剤を使用してください。
☆定植後の管理~
なり疲れ予防と果実肥大、品質向上のための追肥管理です。
まずは、「葉面散布」です。
◎腋果の分化促進と根っこの増加に
活着したら
ホップアップ300倍+根っこりん300倍
で7~10日おきにマルチ被覆後1週間までに3~5回葉面散布してください。
次に「かん水での追肥について」です。
エネルギー補給と果実肥大にしっかりリン酸の補給を行ってください。
活着後から収穫開始まで
トーシンPK 5㎏
を7~10日おきに定期的にかん水してください。
※特に曇天が続く場合にはしっかり「リン酸」補給を行ってください。
※果実の肥大期には「エルエス」2㎏を混用するとさらに果実肥大に効果的です。
そして、マルチ後に
新チャンス液S
を5~10㎏を10日おきに2~3回かん水してください。
※元肥に「ミネパワー」などの微量要素肥料を入れていない場合は、「メリットM」3㎏を混用して下さ。
☆根っこへの酸素補給☆
これから「秋雨前線」や台風のシーズンに入ってきます。
雨に当たった圃場やベッドが崩れた圃場は
MOXを10㌃あたり10㎏かん水してください。
さらに、ベッドを直すときに、「スーパー酸素」を崩れた土に適量撒いてからベッドを直すと効果的です。
☆葉かきについて☆
◎!葉はイチゴの生産工場です。
葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかりと管理してください。
また、わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。少なくとも収穫が忙しくなるころまでは1芽で管理してください。
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