イチゴの定植後の管理について

平素は茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。

朝晩がめっきり涼しくなり、やっとあの酷暑から解放されまいた。

そして清々しいというか、秋の気配を感じることができるようになってきました。

が、おかしい現象が実は起きているのです。

それは、いつもどんな時でも、だいたい決まった時期(彼岸前)に咲いている曼殊沙華(彼岸花)が今年は、かなり遅れて今頃になって芽が出てきて、咲き始めているのです。

たぶん自分の感覚では、2週間ぐらい遅れているのではないかと思っています。

なので、たぶん8月の暑さがかなり影響があったのではないでしょうか?

コロナ禍といい、異常気象といい、これから一体どうなってしまうのか?我々人類は、この世をどうやって過ごしていかなくてはいけないのか?考えなくてはいけないのかもしれません。というか、たぶん皆さん考えていると思います。

さて、話はそれてしまいましたが、

イチゴの定植後の管理について、アップしてまいります。

一部前回の「定植前後の管理」と重複しているものもあると思いますが、ご了承ください。

何度も書いておりますが、育苗期の高温や天候不順の影響で、不時出蕾や根腐れが多く、炭疽病、イオウ病も育苗後半から多く見受けられます。

また、今後の1か月予報では、比較的気温が高い予報になっております。このような年には、うどんこ病が多く発生したり、腋果の分化が遅れて奇形果が多くなったり、厳寒期に休んでしまうことが多いです。10月までのまだ比較的地温が高いうちに、根を増やすことが今年のポイントになりそうです。

まずは、病害虫の防除管理について

・ダニは苗からの発生によるものがほとんどです。定植後も引き続きマルチまでの間に成虫、卵、ともに週1回以上気門封鎖剤や天敵ダニに影響がある薬剤を影響日数を確認しながら、しっかりと防除を行ってください。

・活着後、うどんこ病の予防に活着後すぐと、マルチ直前の2回イオウ粉剤を使用してください。

次に定植後の管理についてです。

ポイントは、腋果の分化促進と根の増加です。

・定植後すぐに、

 キッポ赤500倍+根っこりん300倍液で株元にさし水を行ってください。
 ※ビニールがかかっていない場合には、キッポ赤をアミノキッポ300倍に変更してください。

・活着したら

 ホップアップ300倍+根っこりん300倍
5~7日おきにマルチ被覆後1週間までに5回以上葉面散布してください。

次に液肥施用について

ポイントは、リン酸の補給です。

・活着後から収穫開始まで「トーシンPK」5㎏を7~10日おきに定期的にかん水してください。

※時に曇天が続く場合には、しっかりリン酸補給を行ってください。

※果実肥大期には「エルエス」2㎏を混用するとさらに果実肥大に効果的です。

・マルチ後に「新チャンス液S」5~10㎏を10日おきに2~3回かん水してください。

※元肥にミネパワーなどの微量要素肥料を入れていない場合は「メリットM」3㎏を混用してください。


次に腋芽の管理についてです。

今年は育苗期間中の根の張りが悪いのと、秋に雨が比較的多い予報になっています。このような年には、わき芽がたくさん出てしまう傾向にあります。マルチ後には「新チャンス液S」などを施用してしっかりと根を張らせ、かつ、わき芽の整理をしっかり行ってください。

最後にマルチングと温度管理です。

保温やマルチなどの温度管理は、生育ステージや時期で作業を進めるのではなく、実際の気温を確認して、温度に合わせた作業を行ってください。

そのためにも、圃場内に必ず気温と地温を計る温度計を設置してください。

マルチングは、腋果の分化または、頂花の出蕾のどちらか早い方に合わせて行ってください。外張りの被覆は、花芽にはほとんど影響がないので、活着後速やかに被覆を行ってください。

※地温が20℃以下になると根の発生、伸張は止まってしまいます。

※日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株腐れの原因になります。

作業の目安

ビニール張替え→10月10日ごろ(外気の最低気温が8℃以下の日は保温する)

内張りカーテン→10月中(外気の最低気温が5℃以下になったら夜間は閉める)

マルチ→頂花房開花初期(朝9時ごろの地温が20℃以下になったら)


㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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