イチゴ栽培情報~厳寒期に向けての管理
平素は茨城生科研に対し、多くの皆様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
また、この弊社のHP情報をいろんな方に見ていただけおり、それを元にお問い合わせを頂戴しております。本当に有難いとこだと思っております。
どこまで、お役に立てる情報を提供できているかは、甚だ疑問ではありますが、これからも不定期ですが、イチゴ情報をはじめ、季節ごと、気候ごと、弊社取り扱いの商品等について書いてまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
さて、間もなく11月になろうとしております。朝晩もめっきり寒くなってきて、秋から初冬を感じるようになってきました。
そのような天気ですから、日中との寒暖の差が激しいと、体調を壊しやすいのでコロナ禍ということもありますので、皆様体調には十分ご留意くださいますようお願いいたします。
ということで本題に入りたいと思います。
本日は「イチゴの厳寒期に向けての管理」について書いてまいります。
今年は7月の日照不足、8月の異常高温、9月の天候不良により花芽の遅れや葉の展開の遅れ、生育不良が非常に多く見受けられます。このような年は頂果、腋果の奇形果が多くなり腋果後のなり疲れがひどくなる恐れがあります。
気温、地温をしっかりと確保してあげて、葉の展開速度を高めることが重要なポイントになります。これから比較的好天が続く予報になっておりますが、天気予報をよく確認して受粉のタイミングに注意して葉面散布や防除作業をしっかりと行うようにしてください。
では、これから各種の管理についてです。
まず、定植後の管理ですが、
ポイントとして、「なり疲れ予防と果実肥大、品質向上のための追肥管理」を行いましょうということです。
そのための方策の一つとして「葉面散布」の実施です。その中でも、曇天が続くような時には「リン酸」の葉面散布肥料を散布しましょう。
☆奇形果の軽減とチップバーン防止に
ホップアップ300倍+カルタス500倍
で週一回程度定期的に葉面散布を行ってください。
ただし、うどんこ病が発生している場合は、ホップアップを「アミノメリット青」500倍に変更して葉面散布してください。
次に「かん水での追肥について」です。
まずは「根」への酸素補給に
マルチ後1か月に1回程度(定期的に)MOXを10㌃あたり10㎏をかん水するようにしてください。
※何らかの理由でベッドが崩れて直す場合には「スーパー酸素」を崩れた土に撒いてから直すと効果的です。
次に、「エネルギー補給と果実肥大にしっかりとリン酸の補給」ということです。
収穫開始まで新トーシンPK5㎏/10㌃を7~10日おきにかん水施用してください。
※果実肥大期には「エルエス」2㎏/10㌃を混用するとより果実肥大に効果的です。
※窒素の追肥は腋果の開花頃、または11月中旬から開始してください。
次に「果実品質向上となり疲れ軽減」です。
11月中旬~12月下旬までアミノキッポ5~10㎏/10㌃を週1回かん水してください。
※いばらキッス、やよいひめはトーシンCa2号と交互にかん水してください。
※天候不良時はアミノキッポ3号10㎏/10㌃に変えてかん水してください。
次に「根の活性化と葉の色抜け対策」です。 発根剤とミネラルの補給
新葉の色が抜けてきたら
新チャンス液S10㎏+メリットM3㎏
10日おきに2~3回かん水施用してください。
その次ですが、これかなり重要です。
◎天候不良時期の晴れ間には必ずミツバチを飛ばしましょう◎
さて、その次に「葉かき」についてです。
◎葉はイチゴの生産工場です◎
イチゴの実は葉で作られます。葉が少なすぎると正常なイチゴの実はできません。また、葉の展開速度は葉が多すぎても少なすぎても遅くなります。適正は葉数を確保して、なり疲れや品質の低下を無くしましょう。
葉の展開の目安です。
【ポット育苗等の場合】
定植時 4~6枚 出蕾時 7~8枚 開花期 8枚以上 収穫期 10枚以上
無仮植 4枚 出蕾時 5~6枚 開花期 6枚以上 収穫期 10枚以上
最後に「温度管理について」です。
一部県内を見てみると、
午後のハウス内温度が低くなっているハウスが非常に多いです。午後の低温管理はなり疲れの原因になります。午後の温度は25℃をキープするようにしてください。
・管理のポイントとして
☆午後の気温をしっかり管理してください。目標は日中で25℃をキープです。
☆気温が30℃以上になると生育が低下しますので注意してください。
☆朝は、ゆっくりとした温度上昇と地温の確保のために内張は早い時間から全開にしてください。
☆日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります。
☆午前中の炭酸ガス施用は効果が高いので実施をおススメいたします。
【温度管理の目安】
朝~ハウス内の温度が20℃以上になったら、内張りを両サイド全開にして光を取り入れて地温を確保する。
午前中~基本的に内張りを開けた状態でゆっくりと25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20℃~25℃で管理するようにしてください。ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。 ☆30℃以上だと光合成が停滞します。
午後~午後は、午前中よりもやや高い25℃~30℃で管理してください。内張りは、陽ざしのあるうちはなるべく開けておき、光線を取り入れて地温を上げて夜温の確保に努めてください。 ☆陽ざしのあるうちは、ハウス内を20℃以下にしない。
夜間~8℃前後を確保するようにしてください。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにして、内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度の確保に努めてください。
最後に、本情報は茨城県内の状況を見て作成しておりますのでご了承ください。
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