いちごの厳寒期に向けた管理について
平素は、茨城生科研をご愛顧くださいまして、誠に有難く厚く御礼を申し上げます。
日中の暑さも「一段落」というか、秋を飛び越えて冬になってしまったかのような、朝晩の温度になってきております。
そして、新型コロナウイルス感染症もここにきて、感染者「ゼロ」(茨城)の声を聞こえる日が多くなってきました。第6波ではなく、このまま収束してくれることを、ただただ祈るばかりです。
さて、寒くなってきたと言う事でイチゴの「厳寒期の管理」について書いてまいりますので、よろしくお願いいたします。
今年は、天候不順が原因で不時出蕾や根腐れが多く、炭疽病・イオウ病も育苗後半から多く見受けられます。また、気象庁の2週間予報では11月にから気温が高い予報になっております。このような年には、うどんこ病や害虫類が多く発生したり、腋果の分化が遅れて奇形果になったり、厳寒期に休んでしまうことが多いです。
この暖かいうちにしっかり「根」を増やすことができるかが、今年のポイントになりそうです。
☆なり疲れ予防と果実肥大、品質向上のための追肥管理
<葉面散布による管理>
・目的 腋果の分化促進と根っこの増加
活着したら「ホップアップ」300倍+「根っこりん」300倍で5~7日おきにマルチ被覆後1週間までに2~5回葉面散布してください。
奇形果の軽減と厳寒期の軟質果対策に「ホップアップ」300倍 + 「カルタス」500倍を7~10日おきに定期的に葉面散布を行ってください。
<かん水での追肥について>
・目的 エネルギー補給と果実肥大にしっかりとリン酸の補給
活着後から収穫開始まで「トーシンPK」5㎏を7~10日おきに定期的にかん水してください。
※特に曇天が続く場合には、しっかりとリン酸の補給を行ってください。
※果実肥大期には「エルエス」2㎏を混用すると、さらに効果的です。
マルチ後「新チャンス液S」5~10㎏+「メリットM」3㎏を10日おきに2~3回かん水してください。
次に「葉かき」についてです。
葉はイチゴの生産工場です。葉の欠き過ぎに注意してください。
葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかり管理してください。また、今年もわき芽が多くなりそうです。わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。少なくとも、収穫が忙しくなるころまでは、一芽で管理してください。
〇理想な展開枚数の目安(芯の芽の葉の枚数)
ポット育苗等の場合 出蕾期7~8枚 開花期8枚以上 収穫期 10枚以上
無仮植等の場合 出蕾期5~6枚 開花期6枚以上 収穫期 10枚以上
次に「温度管理」です。
☆地温が20℃以下になると根の発生・伸張が止まってしまいます。
☆日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株腐れの原因になります。
☆午後の低温管理は、なり疲れの原因です。午後は25℃をキープするようにしてください。
☆朝の温度の上がり過ぎや多湿はガク焼けの原因です。注意するようにして下さい。
温度管理の目安
早朝~ハウス内温度が20℃以上になったら、内張りを両サイド全開にして光を取り入れ地温を確保する。
午前中~25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20~25℃で管理するようにしてください。
ガク焼けは、葉水に乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。
30℃以上では、光合成が停滞します。
午後~午後は、午前中よりもやや高い25~30℃で管理してください。内張りは、陽ざしのあるうちはなるべく開けておき、光線を取り入れ地温を上げて、夜温の確保に努める。
☆陽ざしのあるうちはハウス内を20℃以下にしないようにする。
夜間~8℃前後を確保する。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにし、内張りンカーテンも早めに閉めるなどして温度の確保に努めてください。
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