イチゴの定植後の管理について
平素は茨城生科研に対し多大なる御支援と御愛顧を多くの皆々様から賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼申し上げます。
10月になりました。
早いもので、今年も残り3ヶ月!
年齢のせいなのか、時間の過ぎるのが早い感じがする今日この頃です(驚)
そして、今月から2017年の下期がスタートしました。
下期も農業界発展のため努力精進してまいりますので、皆様何卒よろしくお願い致します。
さて、本題に入ります。
イチゴの定植も終盤を迎えているのではないかと思います。
そこで、「定植後の管理」をお送りいたします。
今年も昨年同様、花芽分化時期の天候不良や定植後の局地的な大雨などの影響で、花芽の成長や葉の展開が悪くなっている圃場が多いようです。昨年のように花数が少なく、小玉傾向で奇形果が多くなる事が心配されます。
また、今後1ヵ月の天気予報では、雨が少なく気温が高い予報になっております。
このような年には、頂果は順調に出荷されますが、腋果の分化が遅れて奇形果が多くなったり、厳寒期に休んでしまう事が懸念されます。
10月の比較的地温が高いうちに、しっかりと根を増やしてなり疲れ対策を行なってください。
<定植後の管理>
☆なり疲れ予防と果実肥大、品質向上のための追肥管理を実施しましょう
1、葉面散布について
・腋果の分化促進と根っこの増加に!
腋果の分化促進にメリット赤300倍+根っこりん300倍
7~10日おきに収穫開始時期まで葉面散布を実施して下さい。
2、かん水での追肥について
・根っこへの酸素補給に
雨に当たった圃場やベッドが崩れた圃場は、MOX 10kg/10aをかん水して下さい。
※ベッドを直すときに、スーパー酸素を崩れた土に適量撒いてからベッドを直すとより効果的です。
・エネルギー補給と果実肥大のために、リン酸をしっかり補給しましょう!
活着後から収穫開始まで新トーシンPK5kgを7~10日おきに定期的にかん水して下さい。
・根っこの活性化と葉の色抜け対策に発根促進剤とミネラルを補給しましょう!
マルチ後すぐに、新チャンス液S10kg+メリットM3kgを10日おきに2回かん水して下さい。
・定植後活着はしているが、葉色が抜けたり葉の展開が停滞している場合に
ベッドの上にスジ状に粒状ジャンプを20kg(10a)程度施用して下さい。
☆マルチ前に硫黄粉剤を散布して、うんどんこ病の予防を行なってください。☆
☆低温での管理は、なり疲れの最大の原因です。しっかりと温度を確保して下さい☆
3、葉かきについて
~葉は、イチゴの生産工場です~
葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかり管理して下さい。また、わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。少なくとも、収穫が忙しくなる頃までは、一芽で管理して下さい。
・展葉枚数の目安
<ポット育苗の場合>
定植時→4~6枚
出蕾期→7~8枚
開花期→8枚以上
収穫期→10枚以上
<無仮植等>
定植時→4枚
出蕾期→5~6枚
開花期→6枚以上
収穫機→10枚以上
4、マルチング・温度管理について
!ハウスに気温計と地温計を必ず設置しましょう!
保温やマルチなどの温度管理は、生育ステージや時期で作業を進めるのではなく、実際の気温や地温を確認して、温度に合わせて作業を進めてください。そのため、圃場内に必ず気温と地温をはかる温度計を設置して下さい。
☆地温が20℃以下になると根の発生・伸張は止まってしまいます。☆
☆日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります☆
<目安>
ビニール張替え→10月10日頃(外気の最低気温8℃以下の日は、保温する)
内張りカーテン→10月中(外気の最低気温が6℃以下になったら夜間は閉める)
マルチ張り→頂花房開花初期(朝9時ころの地温が20℃以下になったら)
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