イチゴ栽培管理情報~定植後の管理について~
平素は茨城生科研に対し、多大なる御支援と御愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼申し上げます。
9月も終盤を迎えております。
一年って、本当に早いものです。
さて、久しぶりになりますがイチゴの栽培情報をアップいたします。
定植後の管理
です。
イチゴの定植も終盤に差し掛かっていると思います。
これからの管理参考にして、栽培を行っていただければと思います。
では、本題です。
今年は、育苗期の高温や天候不順などで、不時出蕾や根腐れが多く、タンソ病、イオウ病も育苗後半から多く見られます。定植時期が例年より少し早いので、腋花の分化が遅れる可能性があります。
また、1ヵ月予報では雨が多く、気温が高い予報になっています。このような年には頂果は順調に出荷されますが、うどんこ病が多く発生したり、腋果の分化が遅れて奇形果が多くなったり、厳寒期に休んでしまう事が多いです。
10月までは、また比較的地温が高いので、高いうちにしっかりとした根を増やして、なり疲れ対策をしっかり行なってください。
☆なり疲れ予防と果実肥大、
品質向上のための追肥管理を実施しましょう☆
・葉面散布について
○腋果の分化促進と根っこの増加に
活着したらホップアップ300倍+根っこりん300倍で
7~10日おきにマルチ被覆後1週間までに3~5回葉面散布して下さい。
○かん水での追肥について
雨に当たった圃場やベッドが崩れた圃場には、酸素補給のために
MOXを10kg/10aをかん水して下さい。
※ベッドを直すときに「スーパー酸素」を崩れた土に適量撒いてからベッドを直すと効果的です。
○エネルギー補給と果実肥大にしっかりリン酸の補給をして下さい。
活着後から収穫開始までトーシンPK 5kgを7~10日おきに定期的にかん水して下さい。
※果実肥大期には「エルエス」2kgを混用すると更に果実肥大に効果的です。
○根っこの活性化と葉の色抜け対策に発根促進剤とミネラルを補給して下さい。
マルチ後にすぐに、
新チャンス液S10kg + メリットM3kg
を10日おきに2回かん水して下さい。
○定植後活着はしているが、葉色が抜けたり葉展開が停滞している場合に
ベッドの上にスジ状に粒状ジャンプを10a当り20kg程度施用して下さい。
☆マルチ前に硫黄粉剤を散布して、うどんこ病の予防を行なってください☆
○葉かきについて
葉はイチゴの生産工場です。
葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数でしっかりと管理して下さい。また、わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。
少なくとも収穫が忙しくなるころまでは、1芽で管理して下さい。
・理想の展開枚数の目安
ポット育苗の場合
定植時 4~6枚 出蕾期 7~8枚 開花期 8枚以上 収穫期 10枚以上
無仮植などの場合
定植時 4枚 出蕾期 5~6枚 開花期 6枚以上 収穫期 10枚以上
<マルチングと温度管理について>
ポイント! ハウスに気温計と地温計を必ず設置しましょう!
保温やマルチなどの管理は、生育ステージや時期で作業を進めるのではなく、実際の気温や地温を確認して、温度にあわせて作業を進めてください。
そのため、圃場内に必ず気温と地温を計る温度計を設置して下さい。
※地温が20℃以下になると根の発生・伸長は止まってしまいます。
※日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります。
各作業の目安時期
ビニールの張替え 10月10日頃(外気の最低気温が8℃以下の日は保温を行なう)
内張りカーテン 10月中旬(外気の最低気温が5℃以下になったら夜間は閉める)
マルチ 頂花房開花初期(朝9時ころの地温が20℃以下になったら)
0コメント