イチゴの「暖候期」の管理について

日頃より茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、心より御礼を申し上げます。

さて・・・

一か月以上こちらでの更新が滞っておりました。(汗)

SNSも様々なツールがあり、どちらかというと簡単にアップできるものについつい行きがちで、わたくしもどちらかというと、Instagramのストーリー等で弊社の農産部のネタをアップしておりまして、こちらがついつい疎かにしてしまいました(反省)

と言う事で、気を取り直してイチゴの情報をアップして参ります。

3月も中旬となり、三寒四温ではないですが寒さと温かさの繰り返しで、中々温度管理も気を遣う時期となってきております。

日長が12時間を超えてくる今の時期から、地温が上がってくる3月下旬までの栽培管理が暖候期の収量、果実の品質に大きく影響します。今後暖かい日が続く予報になっておりますので、例年よりもしっかりとした温度・かん水・肥培の管理を行って、株の芯の動きや果実の状態をよく観察して適切な管理を行ってください。


1,毎日の換気について

ポイント1

 午前中の気温は20~25度を、午後の気温は25~29度をキープするようにしてください。

ポイント2

 12度以上の夜温は果実の品質低下の原因につながります。

<温度管理の目安>

早朝~ハウス内が十分に明るくなったら内張りを両サイド全開にして、光を取り入れ地温を確保して  ください。

午前中~内張りを全開にしたら、湿度過剰に注意しながら、外張りは全閉のまま28度程度で換気を開始してください。 ☆30度以上では光合成が停滞します。

午後~午後は午前中よりもやや高い25~30度で管理してください。温度の下がりすぎに注意してください。☆陽ざしのあるうちは、ハウス内温度を20度以下にしないでください。

夜間~ハウス内は6度以上を確保するようにしてください。最低気温が5度以上の日は全開にしてください。


2,果実の品質向上と奇形果防止対策

平均地温が18度以下の状況では、根からの養分吸収が極端に低下します。気温が上がり始める3月は、気温や日長の影響でイチゴ体内でジベレリンが生成されるので、株自体は大きくなってきます。しかし、正常な生育に必要な養分は地温がまで低いので十分根から吸収されません。特に、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下します。春に果実の品質が低下するのはそのためです。リン酸や微量要素を葉面から吸収させて、養分吸収のバランスをうまくとってあげることが、暖候期の果実品質向上のポイントです。

葉面散布を行うことで、春先の株の生育バランスをとるようにしてください。

根っこりん 300倍 + アミノメリット黄 500倍 混用で7~10日おきに2~3回葉面散布を行ってください。



3,根をしっかり張らせ、なり疲れを防止する液肥管理

この時期は、当然のことながら秋に入れた肥料養分も無くなり、株も大きく果実が一番収穫できる時期です。温度、気温も十分になりイチゴが一番栄養を必要とする時期です。しっかりと追肥を行ってあげることにより、暖候期の品質の低下を軽減する事が出来ます。窒素はアミノ酸や硝酸態での補給により、食味の向上や先白・先青の軽減になります。また、リン酸はポリリン酸(高エネルギーリン酸)での補給が、より地温が低い状況での吸収効率が良く、果実肥大に有効です。

〇品質向上に

アミノキッポ もしくは アミノキッポ3号 を5~10㎏/10a を7日おきにかん水施用してください。


〇頂部軟質果の対策として

トーシンCa2号 5kg/10a を月に2回かん水施用してください(カルシウム補給)

※トーシンCa2号は他の液肥との混用はできませんので注意してください。

〇果実が細くなったときや、低温時のエネルギーの補給として

新トーシンPK 5kg/10a を一週間おきにかん水施用してください。

㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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