イチゴの育苗の管理について

新年度のなり、もうすでに4月の下旬になってしまいました。

まずは、今更ですが(汗)2024年度も多くの皆様に、茨城生科研のHP並びに各種SNSをご覧いただき、誠に有難く心より感謝を申し上げます。

有難うございました。

本年度も引き続き、不定期ではありますが、様々な情報をアップしていきますので、よろしくお願い申し上げます。

さて、今回は過去にもアップさせていただきましたが、改めてイチゴの親株についてアップさせていただきたいと思います。

まだ、4月だと言うのに各地では、5月下旬の気温だったり、場所によっては真夏日を記録したところすでにあるみたいです。このままでは、今年の夏は一体どうなってしまうので、心配でなりません。

4月下旬になり、収穫も後半戦になってきていおりますが、次年度の親株もほとんどの方が植付を完了していると思います。

そして、親株への施肥も終わっているとは思いますが、一応プランターや大型ポットに定植する場合の肥料は、液肥や追肥用の化成肥料の方がロングタイプの肥料よりもランナーの発生が良いので、参考にしてください。

また、最初に発生する弱いランナーは整理してください。整理する事により、親株の草勢が強くなり、その後良いランナーがそろって発生します。


採苗の準備ですが、育苗期間中の遮光は最低限にとどめて、育苗期間にしっかりと苗に光をあてられるようにして下さい。頂果房の分化の遅れや奇形果、腋果房の分化のバラつきや根腐れは、育苗期間中の遮光ネットのかけっぱなしの圃場に多く見受けられます。また、キノコバエなどの病害虫の発生もそれらの圃場によく見受けられます。

なので、育苗圃場は遮光ネットが上下できるように設備してください。

あらせて「キノコバエ」の対策もしっかりとるようにして下さい。


次に、施肥ですが

育苗期間の施肥は、プランターなどの養液栽培用の液肥を使用して毎日施肥を行うのが理想です。この時の液肥は、EC0.6~1.0くらいが基本的な濃度になります。また、化学肥料を株から離れた、水のある程度かかる場所に適量施用する方法があります。

上記に書きましたが、ロング肥料を用いる場合だと、ランナーの発生が遅れる可能性があるので、あまりおススメできません。


そして、施肥の次にかん水についてですが、

親株へのかん水は、点滴チューブを使用したり、マルチを利用したりして、親株元だけにかん水できるように設備してください。

基本的に親株にしっかりかん水されていればランナーが高温で焼けることはあっても、水不足になる事はありません。ランナーの部分は必要に応じて手かん水、もしくはミストかん水で灌水してください。かん水チューブや頭上かん水での水ハネは根腐れやイオウ病やタンソの病の原因になりますので注意してください。

また、こまめにランナーをピンなどで止めて、親株に充分なかん水を行ってあげれば、先ヤケなどを軽減する事が出来ます。

ランナーの発生はかん水量と比例します。充分なかん水を行うようにしてください。

プランターやポットを使用する場合は、時に夏場の高温時には、培土の温度上昇による根腐れ防止のために、タイマーで2~3時間おきに1日に4~6回のかん水ができるように設備してください。


次にランナーの管理ですが

はじめに記しましたが、親株定植後、最初に発生する細かいランナーは、出てくるたびになるべく短いうちに取り除いてください。このランナーを残してしまうと、親株に負担がかかり、親株の初期の生育が停滞して、結果的にランナーの発生が少なくなってしまったり、苗の大きさがバラつき、花芽の分化がバラつく可能性があります。

また、初期にランナー取りをしないで、これからの(4月後半)に出ているランナーを一度に取ってしまうと、逆効果になりランナーの発生不足になる事がありますので、十分に注意してください。

先ヤケは、上記にも示しましたが、こまめにランナーをピンで止めて、親株に充分なかん水をしてあげれば、軽減する事が出来ます。

特に、次郎苗の先が伸びる時期が焼けやすいので、この時期はきちんと葉数を整理したり、遮光を行うなどして注意してください。


わき芽や葉の管理ですが、

強いわき芽は残してあげて、2~3芽で管理した方がランナーの発生数は多くなります。しかし、芽を残し過ぎて葉数が多くなり、根からの吸収量よりも葉からの蒸散量が多くなると葉の展開が止まったり、ランナーの先ヤケの原因になります。芽の数にもよりますが、親株の葉数は10~15枚程度で管理して、ランナーの葉も3枚程度で管理してあげるとランナーの発生もよく、苗も生育・花芽分化とも揃った良い苗が仕上がえりますの参考にしてください。

㈱茨城生科研・AGRI WORLD

茨城生科研では、体がよろこぶ農産物の生産栽培にむけた、土壌分析をはじめ、各種土壌改良剤や肥料の取扱いを行っております。

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