イチゴの育苗期の管理について
平素は茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜り、誠に有難く心より感謝を申し上げます。
今日で7月も終わりです。
しかし、連日酷暑が続いております。そして、各地で雨が降らずに渇水であらゆる農産物に深刻なダメージを与えております。
ちなみに、事務所所在地の笠間市では16日に降雨があったものの、それ以降今日(31日)まで1滴も雨が降っておりません。
昨日、弊社農産部の秋冬キャベツの圃場準備を行ったのですが、トラクターが進むと同時に、ものすごい土ほこりが舞って視界不良になるくらいでした。
でも、台風9号の接近に伴って関東地方に接近するみたいなので、ここで雨が降ってくれることを祈るばかりです。
さて、この酷暑の影響でイチゴの育苗も皆様ご苦労されている事と思います。
そんな中、弊社のご提案も皆様のイチゴ育苗の一助になればと考えておりますので、ご活用いただければ幸いです。
と言う事で、「育苗中期に管理について」です
まずは
追肥についてです。
☆弊社ポット錠P25無機タイプの施用時期ですが、この錠剤の肥効は施用後約45~50日です。現在のイチゴの育苗は、夜冷でも60日~70日、無処理でも70~90日以上となっており、成分量的にも肥効期間的にも不足しています。特に、ここ数年の酷暑の影響で、不時出蕾や芽無しが多く見受けられます。芽無しの防止や確実な花芽分化のために、置き肥の2回施用や液肥との併用を必ず行うようにしてください。
苗1株あたりの窒素量としては、140㎎~200㎎が目安です。
※ポット錠P25無機タイプ1錠には、窒素100㎎、リン酸250㎎、加里100㎎と微量要素とカルシウムが配合されております。
☆発根促進と定植後の活着促進に
近年は、育苗期間が長くなってきております。苗の老化防止と徒長抑制に8月上旬と定植2週間後前後にはポット抜きの作業を必ず行って、発根を促し老化を防いでください。
根っこりん 300倍+アミノメリット青 500倍
➩ポット抜き後、かん水施用してください。
☆追肥の時期と方法
窒素の切り過ぎは、不時出蕾の原因や展葉の停滞により、花芽分化が遅れる場合があります。しかし、ここ数年の気温上昇で夜冷でも花芽分化が遅れてきています。育苗後半には窒素レベルが高くならないように注意してください。
窒素の目安は、硝酸イオン試験紙で以下の通りです。
・とちおとめ
無処理➩8月中 100~250 9月以降 50~100
水夜冷➩処理期間中 50~100 分化後 100~500
クーラー夜冷➩処理期間 100~500 分化後 100~500
・いばらキッス、やよいひめ
無処理➩8月中 100~250 9月以上 10~50
夜冷等に関しては、とちおとめと同じです。
液肥施用の目安は7,000本の苗に「アミノキッポ」を1㎏を2~3日おきにかん水してください。(1回に窒素量で約10㎎/株)
次に葉かきです。
葉数は、開花時に8枚以上が理想です。今年も7月の暑さと8月も酷暑が予想されます。これらの影響で昨年の様に苗の展葉や蒸散が悪くなることが予想されますので、通常よりも葉を多く残し気味に管理してください。
最終的には、検鏡時の葉数+未展開葉数=8枚以上になるように管理して下さい。8月15日頃に4枚程度になるように管理し、8月20日頃には2.5枚~3枚に揃えるように葉かきを行い、定植時に葉数5~6枚の苗を定植してください。(本圃に定植してから欠ける葉数を確保しましょう)
夜冷の場合は、夜冷開始時2.5枚~3枚に葉数を揃えるように葉かきを行い、花芽分化までは3.5~4枚程度に管理して分化後は葉数を増やしてください。また、育苗期の葉かきに関しては、葉柄の途中から切らずにきちんと欠いてください。
次にかん水と温度管理について
<ポイント>良い苗の育成と病虫害の蔓延防止のために
葉数が3枚、4枚となっていくにしたがい、葉からの蒸散も増えてくると例年よりもシオレや焼けが多くなると思われます。朝のかん水はしっかりポット(トレー)の下穴から水が出てくるまでかん水してください。
午後からのかん水を行う時には、下記の手順で行ってください。また、曇天が続く場合は培土が乾いてからしっかりとしたかん水を行うようにして、何日も軽いかん水はしないようにしてください。
1)必ずポットを抜いて培土が中まで乾いているか確認!
2)遮光ネットをかけてポット内部の温度を下げてから行う!
3)その後は翌朝まで遮光ネットをかけたままにしてやるか、夕方気温が低くなってから外す!
4)かん水量は、夜間の過剰な水分は徒長の原因になりますので、葉水程度にする!
以上に注意して行うようにしてください。また、外気温が30℃を超えるような場合は、日中も遮光ネットなどをかけてシオレや焼けを防いでください。
そして、葉面散布の施用について
ここ数年は秋の高温や曇天のために、分化が遅れたり、分化後の花芽の成長が遅れたりして収穫開始が遅れ、腋花の分化の遅れやバラつきが目立っています。しっかりと花芽を分化させ成長させるために、下記の葉面散布をしっかり行ってください。
8月20日以降に
メリット赤300倍 または ホップアップ 300倍
を毎日葉面散布を行ってください。
※夜冷処理を行う場合は「ホップアップ」を使用してください。
以上健苗育成に心がけてください。
また、毎日ものすごい暑さに見舞われております。
熱中症には十分注意して作業を行うようにしてください。
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