イチゴ栽培管理~育苗期の管理について~
平素は、㈱茨城生科研に対し、多くの皆様から多大なるご支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く、厚く御礼を申し上げます。
長ーーーーい、梅雨がやっと終わりました。
が、
いきなりの猛暑です。(汗)
体が順応していないのでかなりきつい毎日過ごしております。
そして、29日に気象庁から「高温に関する早期天候情報」が発表されております。
それによりますと、8月4日から平均気温で1.9℃ほど高くなるとのことです。
すでに、熱中症にかかられた方が多く出ております。
前にも書きましたが、体が順応しておりませんので、ちょっとした変化でも体調を崩す可能性があります。
外仕事が中心の農業ですが、水分をしっかりと補給して、無理しないでちょっとでも調子が悪いようであれば、休むことを心がけてください。
さて、そんな状態ですが
イチゴの育苗も本格的になって参りました。
今回も?イチゴの育苗についてアップして参ります。
1、追肥と葉面散布についてです。
☆ポット錠ジャンプP25の施用時期(1錠/窒素60mg/1株)
ポット錠ジャンプの肥効は、施用後25~30日です。現在のイチゴの育苗は、夜冷で60~70日、無処理で70~90日以上になっており、成分量的にも肥効期間的にも不足しています。特に芽無しの防止や確実な花芽分化のために、置き肥の2回施用や液肥との併用を行てください。
※マイクロロング、IB化成を使用する場合、効きはじめるのが遅いので、活着後1~2回アミノキッポなどの液肥をかん水してください。
☆発根促進と定植後の活着促進
近年は、育苗期間が長くなってきております。苗の老化防止と徒長抑制に8月上旬と定植2週間前頃に、ポット抜きを行って発根を促し、苗の老化を防いでください。
〇おすすめの液肥
新チャンス液S 300倍+メリットM 800倍
ポット抜き後に混用で1~2回かん水してください。
☆追肥の時期と方法
窒素の切り過ぎは、不時出蕾の原因や展葉の停滞により花芽分化が遅れる場合があります。しかし、ここ数年の気温の上昇で夜冷でも花芽分化が遅れてきております。育苗後半には、窒素レベルが高くならないように注意してください。
窒素の目安は、硝酸イオン試験紙で下記の通りになります。
・とちおとめ
無処理~8月中 100~250 9月以降で50~100
水夜冷~処理期間 100~250、分化後 100~500
クーラー夜冷~処理期間 100~250 分化後 100~500
・やよいひめ、イバラキキッス
無処理~8月中 100~250 9月以降 10~50
夜冷に関しては、とちおとめと同じです、
※液肥施用の目安は、7000本の苗にアミノキッポ1kgを3~5日おきに潅水してください。(1回に窒素で約10㎎/株)
☆葉面散布は花芽分化促進のために、夜冷の場合も行ってください。
ここ数年、秋の高温や曇天のために、分化が遅れたり、分化後の花芽の成長は遅れたりして、収穫開始が遅れたり、腋花の分化の遅れやバラつきが目立ちます。しっかり花芽を分化させて、成長させるためにしっかりと葉面散布を行ってください。
・8月15日以降
「メリット赤」もしくは「ホップアップ」 300倍
毎日葉面散布してください。
※かん水で使用する液肥もリン酸の多い山型肥料に切り替えてください。
※夜冷処理を行う場合は、「ホップアップ」を使用してください。
2、葉かきについて
☆花芽の揃いと分化促進のために☆
葉数は、開花時に8枚以上が理想です。最終的には検鏡時の葉数+未展葉数=8枚以上になるように管理します。目安としては、鉢上げ後、新葉が1枚展開したら、すべての苗の葉数を1.5~2枚に揃えるように葉かきを行い、その後定植までは葉かきを行わず、葉数4~6枚苗を定植してください。夜冷を行う場合は、夜冷開始時に2~2.5枚に葉数を揃えるように葉かきを行い、花芽分化までは3枚程度で管理して分化後は葉数を増やしてください。また、育苗期の葉かきに関しては、必ず葉柄の途中から切らずにきちんと欠くようにしてください。
3、かん水と温度管理 ☆良い苗の育成と病害虫の蔓延防止に
葉数が3枚、4枚となっていくに従い、葉からの蒸散も増えていきます。午後からのかん水を行う時には、下記の手順で行うようにしてください。
1)必ずポットを抜いて培土が中まで乾いているか確認してください。
2)遮光ネットをかけてポット内部の温度を下げてから行ってください。
3)その後は、翌朝まで遮光ネットをかけたままにしてあげるか、夕方気温が低くなってから外してください。
4)かん水の量は、夜間の過剰な水分は、徒長の原因になりますので葉水程度にしてください。
以上に注意して行ってください。また、外気温が30℃を超えるような場合は、日中遮光ネットなどをかけてシオレや焼けを防いでください。
4、花芽検鏡
☆最重要です。必ず行ってください。
花芽検鏡は必ず行ってください。特に、ここ数年は夏の高温などにより花芽の分化が遅く、非常にバラつきが大きくなる傾向にあります。夜冷の場合は、8月下旬に1回行い、無処理では、9月10日頃からを目安に行いましょう。
この時にまだ花芽分化していない場合は、必ず再度検鏡を行ってください。定植は、花芽分化後(分化期後期以降)2~3日待ってから行ってください。苗にしっかりと追肥を行いながら定植時期を少し遅らせて定植した方が良い結果になるので、しっかり花芽が分化してから定植してください。
5、定植前後の管理
☆ダニは苗からの発生によるものがほとんどです。定植前には、成虫、卵ともに防除を行ってください。
☆定植前日または、当日に活着促進とダニ防除として、
根っこりん300倍 + モベントフロアブル 500倍
を混用して十分にかん水してから定植してください。
☆花芽の確認後(ガク片形成期以降)から、定植して葉が1枚展開するまでの間、アミノメリット青500倍を定植直後から活着まで2~3日に1回葉面散布してください。活着後はホップアップ300倍を週に1回定期散布してください。
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