イチゴ栽培情報~厳寒期の管理について~
平素は、茨城生科研に対し多くの皆々様から多大なるご支援とご愛顧を賜り、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
早いもので、11月も下旬になってきております。
先月の末に更新を行って以来、ちょっと空いてしまいました。
管理者として、かなり反省しております(涙)
実は、キャベツの収穫が始まり、そちらに時間を取られてしまっておりました。
それと令和元年農産部の新たなチャレンジとして、タマネギの栽培を開始いたしました。
トライアルということで、まずは20aからなんですが、しっかりと管理を行って笑われない高品質のタマネギを栽培できればと思っております。
いろんな品目を作って、何とか一人前の農産部にしていかなくては、と気合は十分です。
さて、話がそれてしまいましたが、本題です。
イチゴの「厳寒期の管理」についてです。
基本的には、10月に更新した内容を被る部分がほとんどですが、改めてアップして参りますので、よろしくお願いいたします。
前回も書きましたが、重要なポイントなので
降雨、曇天後の晴天時はにはミツバチを飛ばしましょう!
窒素は晴天が続く時に、リン酸は曇天が続く時に追肥しましょう!
厳寒期の追肥は、窒素:リン酸:カリの目安割合は1:2:1です!
次に水管理です。
毎日かん水を行いましょう!
厳寒期は、通常地温よりも井戸水の方が温度が高いので、かん水を行うことで地温が上がります。毎日なるべく早い時間にかん水を行って、地温の確保を行ってください。
特に、曇天が続く時や、雪が降った時にはかん水を行いましょう!
ハウス内の温度管理についてですが、基本的に全開の更新したものを参考にしてください。
茨城県内では、午後のハウス内温度が低いところが見受けられます。午後の低温管理は、なり疲れの原因になりますので、午後の温度は25℃をキープするようにしてください。
葉かきについてです。
根っこの状態が良くないとわき芽が多く出ます。これを残してしまうとチップバーンや奇形果の原因になりますので、なるべくひと芽で管理するようにしてください。また、ハダニやうどんこ病が多発して葉かきを強くしたい場合でも、葉を7~8枚は残すようにしてください。
葉面散布についてですが、今年は根っこが少ないので、地上部の草勢を強くして冬を乗り切りましょう!
厳寒期は、地温が18℃以下になると窒素やカリウム以外の養分の根からの養分吸収が極端に低下します。ハウス栽培の場合、窒素とカリは室温をしっかり確保してあげれば欠乏することは少ないですが、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下しますので、リン酸や微量要素を葉面から吸収させてあげ、養分吸収のバランスをうまくとってあげる事が、なり疲れの軽減のポイントになります。
☆奇形果の予防と冬場のエネルギー補給に
ホップアップ300倍+カルタス500倍を5~7日おきに葉面散布してください。
※特に、腋果の出蕾期にはガク焼け、奇形果の軽減に効果があります。
※ハダニ、うどんこ病が発生している圃場は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更してください。
☆「とちおとめ」のなり疲れ、休眠防止に
11月下旬から生育状況に合わせてジベレリンを1~3ppmで20日に1回、定期的に葉面散布してください。
※草勢が強い場合でも薄井倍率で必ず時期に葉面散布してください。
※特別な場合を除いて、「イバラキッス」「やよいひめ」は必要ありません。
※希釈目安として、ジベレリン液剤40mlを200ℓに薄めて1ppm、約66ℓに薄めて3ppmになります。
液肥のかん水についてですが、厳寒期の液肥の追肥は、いかにして葉の展開スピードを上げてあげる事と、果実の品質向上を目的として実施します。それには、吸収した窒素をいかに効率よく養分転換させるか、いかに多く吸収させてあげるかがポイントです。
窒素は、アミノ酸や硝酸態窒素での補給により、食味の向上や先白、先青の軽減につながります。リン酸はポリリン酸での補給が、より地温が低い状況での吸収効率が良く、果実の肥大やなり疲れの軽減に有効です。
主な液剤は以下のと通りです。
☆根っこへの酸素補給に
MOXを10a当たり10㎏を月に1回定期的にかん水してください。
☆エネルギー補給を果実肥大に
曇天が3日続く時には、新トーシンPK5kg(10a)をかん水してください。
※各果房の果実肥大期にエルエス2㎏を混用すると果実肥大に効果的です。
☆なり疲れ予防と果実の品質向上、頂部軟質果軽減に
12月に入ってからアミノキッポ5~10㎏、またはアミノキャッチP10㎏とトーシンCA2号5㎏を交互に週1回定期的にかん水してください。
☆根っこの活性化と葉の色抜け対策
12月から2月までの間に、新チャンス液S10㎏+メリットM3㎏を15~20日おきに定期的にかん水してください。
イチゴの出荷の声が、あちらこちらから聞こえてきました。
弊社の情報等を参考にしていただき、より良いイチゴを生産いただけることをご祈念いたしております。
ここにきて寒暖の差が激しくなってきております。また、インフルエンザも例年よりも早く流行の兆しを見せておりますので、お体には十分気を付けて、作業を行っていただければと思っております。
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