イチゴ栽培情報~冬に向けての管理について

平素は、茨城生科研に対し多くの皆様方から、多大なるご支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く、厚く御礼を申し上げます。


そして、

改めて台風15号、19号、さらには10月25日の豪雨で被害に遭われた皆様へ、心よりお見舞いを申し上げます。

テレビやSNS、様々なメディアで25日の豪雨の様子が流れておりますが、私も25日は千葉におりました。

午前中は冨里、午後は成田で仕事をしていたのですが、ものすごい雨が朝から降り続いておりました。強い雨の間に、さらに強い雨が降る、なんていう状況でした。

夕刻茨城へ帰路についたのですが、あちらこちらで道路が冠水してしまい、通行止め!

豪雨の影響で高速道路もダメ!

そして、みんな国道へ車が集中してしまったせいで、大大大渋滞。

市内に向かう方はとんでもありませんでした。

私は、幸いに田舎へ向かう方だったので、比較的スムーズに帰ることが出来ましたが、それでも下道で4時間くらいはかかったと思います。


さて、本題です。

今回はイチゴの栽培情報をアップして参ります。

題して、「冬に向けての管理」です。


今年も花芽分化時期の天候不良や定植後の台風等の影響で、葉の展開が悪くなっている圃場が多いようです。このような年は、奇形果の発生や2,3月のなり疲れが予想されます。また、雨が多く地温が例年よりも低くなっています。これからも悪天候が予想されます。天気をしっかりと確認して受粉のタイミングに注意して葉面散布や防除をしっかりと行うようにしてください。

〇定植後の管理 

~なり疲れ予防と果実肥大、品質向上のための追肥管理~

まずは、葉面散布です。

曇天が続いたらリン酸の葉面散布を行ってください。

・奇形果の軽減とチップバーン防止に

ホップアップ300倍+カルタス500倍で週1回程度、定期的に葉面散布を行ってください。

※うどんこ病が出ている場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更してください。

次に、かん水での追肥についてです。

根っこへの酸素補給に

マルチ後、一か月に1回程度(定期的に)MOXを10㎏(10a)をかん水してください。

※ベッドを直すときに、スーパー酸素を崩れた土に適量撒いてからベッドを直すと効果的です。

・エネルギー補給と果実肥大に、しっかりリン酸を補給してください。

活着後から収穫開始まで「新トーシンPK」5kgを7~10日おきに、地温が20℃以上になるまで定期的にかん水してください。

※果実肥大には、エルエス2㎏を混用するとさらに果実肥大に効果的です。

※窒素の追肥は、腋果の開花頃、または11月中旬から開始してください。

・果実品質向上となり疲れ軽減に

11月中旬から「アミノキッポ」5~10㎏を週1回かん水してください。

※天候不良時は、「アミノキッポ」を「アミノキッポ3号」に変えてください。

・根っこの活性化と葉の色抜け対策に発根促進剤とミネラルを補給してください。

新葉の色が抜けてきたら「新チャンス液S10㎏+メリットM3㎏」を10日おきに2回かん水してください。


次に、ポイント

天候不良時期の晴れ間は、必ずミツバチを飛ばしてください


その次です。

葉かきについて

◎葉はイチゴの生産工場です

葉が少ないと品質や収量の低下、なり疲れなどの原因になります。適正枚数で、しっかりと管理してください。また、わき芽が多いと春以降の果実の品質低下や病害虫の多発の原因になります。少なくとも、収穫が忙しくなるころまでは、一芽で管理してください。

<展葉枚数の目安>

・ポット育苗

定植時⇒4~6枚  出蕾期⇒7~8枚  開花期⇒8枚以上  収穫期⇒10枚以上

無仮植等

定植時⇒4枚  出蕾期⇒5~6枚  開花期⇒6枚以上  収穫期⇒10枚以上


そして、今度は温度管理についてです。(温度管理のポイントです)

1、午後の気温をしっかり管理してください。目標、日中25℃をキープ

1、気温が30℃以上になると生育が低下しますので注意してください。

1、朝は、ゆっくりとした温度上昇と地温確保のために内張りは、早い時間から全開にしてください。

1、午前中の炭酸ガス施用は、効果が高いので実施をお奨めいたします。

<温度管理の目安>

朝⇒ハウス内の温度が20℃になったら内張りを両サイド全開にして、光を取り入れて地温を確保してください。


午前中⇒25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20℃~25℃で管理するようにしてください。ガク焼けは葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。

(30℃以上では、光合成が停滞します)

午後⇒午後は、午前中よりやや高い25℃~30℃で管理してください。内張りは、陽ざしのあるうちはなるべく開けておき、光線を取り入れ地温を上げて夜温の確保に努めてください。

夜間⇒8℃前後を確保してください。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにして、内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度の確保に努めてください。






㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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