厳寒期のイチゴ管理について(2月)

平素は茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なるご支援とご愛顧を賜り、誠に厚く厚く感謝申し上げます。

このところ、マメにアップしております。

毎回出だしは、天候の話から始まっておりましたが、今日くらいから少し落ち着いて来るみたいです。今日の予報でも西高東低の冬型になってきているようなので・・・・

やはり、寒い時は寒くないといけません。

昨日のニュースでは、イチゴの価格が上がり基調になっているとの報道がありました。

原因は、日照不足とのこと。

本当に、いろんな農作物にかなりの影響が出ている年末年始の天気です。

なので、ちょっとでも情報があれば、なるべく早い段階で情報を発信できるよう心掛けているところであります。


さて、今回はそんなイチゴの情報です。

題して、厳寒期の管理について

です。

過去にアップしている内容と一部重なる部分もあると思いますが、その辺はご容赦ください。

では、まず

絶対的なポイントです(なんども書いております)

☆降雨、曇天後の天気の良い日は、必ずミツバチを飛ばしましょう!

とちおとめの受精能力期間は3~4日くらいと言われております。曇天が続いてしまうと、受精能力が低下してしまいますので、曇天後天候が回復したら、まずはミツバチを飛ばすようにしてください。


☆窒素は天気が続く時に、リン酸は曇天が続く時に追肥しましょう!

☆地温確保のために、毎日かん水を行いましょう

厳寒期は一般的に、地温よりも井戸水の方が温度が高いので、朝早くかん水すれば、地温が上がります。毎日なるべく早い時間に行って地温を確保してください。


次に温度管理です。

県内、午後のハウス内温度が低くなっている圃場が多く見受けられます。午後の低温管理は、なり疲れの原因です。午後の温度は25℃をキープしてください。

改めて参考の温度管理

早朝~ハウス内温度が20℃以上になったら、内張りを両サイド全開にして、光を取り入れて地温を確保する。

午前中~25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20~25℃で管理するようにする。ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。また、30℃以上では光合成能力が低下します。

午後~午後は午前中よりもやや高い25~30℃で管理します。内張りは陽ざしのあるうちはなるべく開けておき、光線を取り入れ地温を上げて、夜温の確保に努めます。陽ざしのあるうちは、ハウス内を20℃以下にしない。

夜間~8℃前後を確保してください。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにし、内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度確保に努めてください。

次に葉かきです。

収穫が比較的落ち着いてきた時に、収穫中の果房のところまで葉やランナーを整理してください。今年は、脇芽やランナーが非常に多いです。これを残してしまうと、チップバーンや奇形果の原因になりますので注意してください。また、ハダニやうどんこ病が多発して葉かきを強くしたい場合でも、葉を7~8枚は残すようにしてください。

次に、根についてです。

今年は根っこが少ないので、草勢を強くして冬を乗り切りましょう。と言う事です。

本年も定植直後からの天候不良の影響で、根の張りが非常に悪い上に、夜冷育苗では2番、3番が連続して出蕾しているので、3月から4月にかけてのなり疲れ、無処理苗では頂花、腋花が連続して出蕾している事から2月、3月のなり疲れが起きる可能性が非常に高いです。なり疲れを軽減するためにも、冬場の葉面散布と追肥をしっかりと行ってください。

また、いばらキッスややよいひめの場合、冬場に尿素の割合の高い液肥を施用すると先青や頂部軟質果が出やすくなるので注意してください。


そして、「葉面散布」「液肥」のそれぞれの使用方法についてご提案いたします。

◎奇形果の軽減と冬場のエネルギー補給に

 ホップアップ300倍+カルタス500倍

5~7日おきに葉面散布してください。

※特に、腋果の出蕾期には、ガク焼け、奇形果軽減に効果があります。

※ハダニ、うどんこ病が発生している場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更してください。

◎とちおとめは、なり疲れ・休眠防止に

ジベレリンを生育状況に合わせて1~3ppmで20日に1回定期的に、日長が12時間を超える頃まで葉面散布してください。

※草勢が強い場合も、薄い倍率で必ず時期に散布してください。

※ジベレリン液剤40mlを200㍑に薄めて1ppm、約66㍑に薄めて3ppmになります。

◎日長が12時間以上になったら、徒長抑制と暖候期の品質向上に努めてください。

根っこりん300倍+メリット赤300倍

5~7日おきに葉面散布してください。

◎根っこへの酸素補給に

 10a当たりMOX 10㎏を月に1回かん水施用してください。

◎果実肥大促進と天候不良対策に

果実肥大が悪く、果実が細くなっておい場合は、トーシンPK 5㎏を週1回かん水施用してください。※各果房の肥大期に「エルエス2㎏」を混用すると果実肥大に効果的です。

また、曇天が続く場合にもトーシンPK5㎏をかん水してください。

◎なり疲れ予防と果実の品質向上に

週に窒素1㎏程度の追肥が必要となります。アミノキッポで5~10㎏を週1回かん水施用してください。

◎軟質果、頂部軟質果の軽減に

カルシウム液肥トーシンCa5~10㎏を15日おきにかん水してください。

※トーシンCaは新チャンス液以外との混用はできませんので注意してください。

◎なり疲れ軽減、新葉の色が濃くなったり、抜けてきた場合には

新チャンス液S10㎏+メリットM3㎏を3月まで15~20日おきに定期的にかん水してください。


以上、大変な状況が続いておりますが

何とか踏ん張って、良いイチゴを生産してください。


㈱茨城生科研・AGRI WORLD

明るい豊かな農業社会の実現に向けて!

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