イチゴ栽培管理情報~暖候期前半~
平素は茨城生科研に対し多大なるご支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。
さて、世の中では連日、新型肺炎コロナウイルスの話題で各メディアを騒がせておりますが、本当に怖いですね。
掛からないように注意していても、目に見えるものでは無いので、なかなか難しいかもしれませんが、一般的に言われている手洗いの励行をしっかりと行う事が、とても重要だと思います。マスクもなかなか手に入らないみたいですので・・・
でも、こんなこと書くのはいけないのかもしれませんが、何となく国際機関や国の対応を見ていると、初期の判断を完全に見誤った感があるような気がしてなりません。
これは、会社の経営においても同じことが言えるかもしれませんが、傷は浅いうちの方が治りやすいのです。深いとなかなか治りません。
と、これ以上書くと批判になってしまうので、本題に入ります。
イチゴの暖候期の栽培管理についてです。
この時期?と思われるかもしれませんし、実際情報を出すのがちょっと早いかもしれませんが、天気予報などでも3月並み、4月並みの天気という言葉が連日飛び交っておりますので、
あえて「暖候期」の情報をアップさせていただきます。
何回も書いておりますが、今年は非常に根の張りが弱いため、春先に軟弱徒長や奇形果、小玉果などの多発が予想されます。地温が上がる3月下旬までの間の管理が暖候期の収量、果実品質に大きく影響します。例年よりもしっかりとした保温、かん水、追肥の管理が必要になっております。苗の芯の動きや果実の状態をよく観察しながら適切な管理を行ってください。
ポイント
1、気温は午前20~25℃、午後は25~29℃をキープしてください。
2、ポリリン酸は植物のエネルギーです。曇天が続いたらリン酸の補給を行ってください。
3、夜温は6℃以上でなるべく低い温度で管理してください。
1)毎日の換気 ☆夜温12℃以上は果実品質の低下の原因になります。
県内、巡回をしていると午後のハウス温度が低い圃場が非常に多いです。午後の低温管理は、なり疲れの原因です。午後の温度は25℃をキープしてください。
1日の温度管理の目安>
早朝~ハウス内の温度が20℃以上になったら☆内張りを両サイド全開にして、光を取り入れ地温を確保する
午前中~内張りを全開にして、外張りは全閉のまま、28℃程度まで保温する。湿度が上がり過ぎたり、二酸化炭素の濃度が下がり過ぎた場合は、適宜換気を行ってください。
午後~午後は、午前中よりもやや高い25~30℃で管理してください。ハウス内が22~23℃で外張りを閉めて20℃で内張りを閉めてください。☆陽ざしがあるうちは、ハウス内を20℃以下にしない。
夜間~6℃以上を確保する。最低気温が6℃以上の日は、夜温が上がり過ぎないように注意する。
2)ビビフルフロアブルの使用について~暖候期の徒長抑制に~
◎日長が12時間を超えてきたら
暖候期に株が大きくなりすぎて、作業が困難になってしまう場合は、ビビフルフロアブルを400~600倍で葉面散布すると徒長抑制になります。効果はおそよ20日~30日程度になります。
※実際の使用に際しては、商品ラベルをよく読んでご使用ください。
3)果実の品質向上と奇形化防止のための葉面散布
冒頭にも書きましたが、今年は根が少なく、地温も低く、根の活性が弱っています。温かくなると軟弱徒長や小玉果、奇形果などの発生が心配されます。根っこりんを上手に活用して、春先の株のバランスを改善しましょう。
☆日長が12時間をを超えたら
根っこりん300倍+アミノメリット黄500倍
を混用で7~10日おきに2~3回葉面散布してください。
平均地温が18℃以下の状況では、根からの養分吸収が極端に低下します。気温が上がり始めた3月は、気温や日長の影響でイチゴ体内でジベレリンが生成させるので、株は大きくなってきますが、正常な生育に必要な養分は地温がまだ低いので、充分に根から吸収されないので、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下しますので、果実の品質が低下します。リン酸や微量要素を葉面から吸収させてやり、養分吸収のバランスをうまくとってあげる事が暖候期初期の果実品質向上のポイントです。
4)根をしっかり張らせ、なり疲れを防止する液肥の管理を!
暖候期は、秋に投入した元肥も無くなり、株も大きく果実も1番収穫できる時期です。温度、気温も十分になり、イチゴが一番栄養を必要とする時期です。しっかりと追肥を行ってあげる事で暖候期の品質低下を軽減できます。窒素は、アミノ酸や硝酸態窒素での補給により、食味の向上や先白、先青の軽減につながります。リン酸は、高エネルギーのポリリン酸での補給がより地温の低い状況での吸収効率がよく、果実の肥大に有効です。
◎低温時のエネルギー補給として
新トーシンPK 5kg
7日おきにかん水してください。
※果実が細くなって来た時の果実肥大に効果的です。
※エルエス2㎏を混用すると、果実肥大に効果的です。
◎頂部軟質果対策として
トーシンCa2号 5㎏
月に2回かん水してください。
注)トーシンCa2号は他の液肥と混用できませんのでご注意ください。
◎天気の良い日に、アミノキッポ 5~10㎏
7~10日おきに定期的にかん水してください。
以上を参考に後半戦も品質の良いイチゴ生産を行うようにしてください。
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