イチゴの厳寒期④の管理について

日頃より茨城生科研に対し、多くの皆々様から多大なる御支援とご愛顧を賜りまして、誠に有難く厚く厚く御礼を申し上げます。

さて、土曜日の夜中に起きた地震、びっくりしました。

これを見ていただいている皆様の身の回りや、地域は大丈夫でしたか?

そして、福島県をはじめ、被災されてしまった皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。

しかし、運命のいたずらか、は分かりませんが、

来月の11にで丸10年になります。

生きている中で、10年というのは「あという間」だったり「もう10年」と感じ取る人がいると思いますが、土曜日の地震が東日本の余震ということは、地球にとっての10年は、大した年月じゃないのかもしれませんね。ついこの間、なのかもしれません。

恐ろしい事ですが・・・

そして、今後まだ結構なクラスの余震が起きる恐れがあるということなので、皆様十分な備えをして、身の安全を守るようにしてください。


さて、本題です。

まだ2月の中旬ですが、確実に春は近づいてきております。

今日の農業新聞の気象欄では、今後比較的暖かい日が続くような予報が出ておりました。それらを踏まえて、イチゴの管理を行うようにしてください。

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長期予報では、この先1ヵ月は例年よりもやや高温で日照量がやや少ない予報になっております。気温が上がりやすく、地温が上がりにくい予報ですから、春根の伸びが遅れて軟弱徒長することが予想されます。また、イチゴの状況も根の張りが非常に悪い事と、頂花・腋花が連続して出蕾している事から、2月、3月のなり疲れが起きる可能性が非常に高いです。なり疲れを軽減するためにも、例年よりもしっかりとした温度管理と地温が上がってくるまでの葉面散布と追肥をしっかりと行い、なり疲れを防ぎましょう。


管理のポイント(重複しますが)

☆地温確保のためのかん水管理を行いましょう(毎日かん水)☆

厳寒期は、通常地温よりも井戸水の方が温度が高いので朝早い時間にかん水を行うとこで、地温が上がります。毎日なるべく早い時間にかん水を行って、地温を確保してください。水が溜まってしまう圃場は、MOXやキッポエアー灌注機(キッポ液肥施用)で土壌の物理性の改善を行ってください。

※かん水で利用する水の温度やかん水前後の地温を確認しておくと、より良い地温管理ができます。

※圃場に水が溜まっている場合でも、ベッドは乾いている場合があります。その場合は、かん水量を注意して少量かん水を行ってください。

・温度管理について

午後のハウス内温度が低くなっているハウスが非常に多いです。低温管理のため、果実の先端が過熟でガクよりの着色が遅れる圃場が多いです。【←注意しましょう】

早朝~晴天の日は日が照ってきたら内張りを両サイド全開にして、湿気を抜き光を取り入れ地温を確保するようにしてください。

午前中~25℃以上にしないように注意してください。午前中は23~25℃で管理するようにしてください。

ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げ過ぎると発生します。30℃以上では光合成が停滞します。

午後~午後は午前中よりやや高い温度25~30℃で管理してください。☆陽ざしのあるうちはハウス内を20℃以下にしないでください。

夜間~8℃前後を確保してください。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにして内張りカーテンも早めに閉めるなどして温度の確保に努めてください。

☆天候不良の後の晴天は、薬剤散布よりも先にミツバチを飛ばしましょう!
☆晴天が続く時には窒素を、曇天が続く時にはリン酸を追肥しましょう。

・葉面散布について

この時期の葉面散布は、暖候期の果実の品質向上や徒長の抑制にとても重要なポイントになります。2月3月は気温や日長によって株の地上部は伸びますが、春根が伸び始めるのは3月下旬ごろなので、株の成長に根からの養分吸収が追い付かず軟弱徒長や果実の品質低下が起きます。この時期にはリン酸やカルシウム・微量要素を中心に葉面散布を行ってください。

〇奇形果、チップバーンの予防と冬場のエネルギー補給に

ホップアップ300倍+カルタス500倍液を4~5日おきに葉面散布してください。

※いばらキッス・やよいひめでは軟質果軽減に効果があります。

※ハダニ、うどんこ病が発生している場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更してください。

〇とちおとめのなり疲れ防止に

2月中旬にジベレリンを生育状況に合わせて1~3ppmで葉面散布してください。

※特別な場合を除き、いばらキッス・やよいひめは必要ありません。

〇軟弱徒長の軽減と暖候期の品質向上に

2月下旬から3月上旬にかけて
 根っこりん300倍+カルタス300倍
を5~7日おきに2~3回葉面散布してください。

・液肥のかん水について

〇なり疲れ予防と果実の品質向上、頂部軟質果軽減に
(最低限必要な追肥です)

アミノキッポ10㎏(または アミノキャッチP10㎏)とトーシンCa2号10㎏を交互に週1回定期的にかん水してください。

※アミノキャッチPは、新チャンス液以外の液肥とは混用できません。

〇根っこへの酸素補給に

MOXを10aあたり10㎏(1箱)を月に1回かん水してください。

〇果実肥大促進と天候不良対策にリン酸を補給しましょう

果実の肥大が悪く、果実が細くなってきたら新トーシンPKを10㎏かん水してください。

※各果房の果実肥大期にエルエス2㎏を混用すると果実肥大に特に効果的です。

〇なり疲れと軟弱徒長軽減対策に

2月下旬に新チャンス液S10㎏をかん水施用してください。



㈱茨城生科研・AGRI WORLD

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