イチゴ栽培~厳寒期の管理~
平素は㈱茨城生科研に対し、多大なる御支援と御愛顧を多くの皆々様から賜り、誠に有難く厚く厚く御礼申し上げます。
今までが暑かったせいか、急に気温が下がってきて寒くなってきたように感じる今日この頃です。
今週以降は、日中も20℃を越えるようなこともなくなってくるのではないかと思います。
さて、イチゴ栽培ですが
やっと寒くなって来ましたので、厳寒期の管理についてアップして参ります。
今年は比較的根量が少ない圃場が多く見受けられますので、地上部の草勢を強くして冬を乗り切る管理を行いましょう。
厳寒期は、地温が18℃以下になると根からの養分吸収が極端に低下します。ハウス栽培の場合、窒素とカリウムは、室温をしっかり確保してあげれば欠乏することは少ないですが、リン酸や微量要素、カルシウムなどは吸収が極端に低下しますので、リン酸や微量要素を葉面から吸収させてやり、養分吸収のバランスをうまくとってやることが、なり疲れ軽減のポイントになります。
☆奇形果の予防と冬場のエネルギー補給に
◎ホップアップ300倍+カルタス500倍液を5~7日おきに葉面散布して下さい。
※特に、腋果の出蕾期には、ガク焼、奇形果軽減に効果があります。
※ハダニ、うどんこ病が発生している場合は、ホップアップをアミノメリット青500倍に変更して下さい。
☆なり疲れ・休眠防止に
◎11月中旬から、ジベレリンを生育状況に合わせて1~3ppmで20日に1回葉面散布して下さい。
※草勢が強い場合も薄い倍率で必ず時期に葉面散布して下さい。
※電照を利用している場合は、基本的には必要ありません。
※ジベレリン液剤40mlを200ℓに薄めて1ppm、約66ℓに薄めて3ppmになります。
【かん水について】
厳寒期の液肥の追肥は、いかにして葉の展開スピードを上げてやる事と、果実の品質向上を目的として行います。それには、吸収した窒素をいかに効率よく養分転換させるか、いかに多く吸収させてあげるかがポイントです。窒素は、アミノ酸や硝酸態窒素での補給により食味の向上や、先白・先青の軽減になります。リン酸はポリリン酸での補給が、より地温が低い状況で吸収効率が良く、果実肥大やなり疲れ軽減に有効です。
☆根っこへの酸素補給
・10a当り MOX 10kgを月に1回かん水して下さい。
☆エネルギー補給と果実肥大
・曇天が3日続くときには、新トーシンPK 5kgをかん水して下さい。
☆なり疲れ予防と果実の品質向上
・収穫開始、または腋果の開花以降、アミノキッポ3号 5~10kg または、アミノキャッチP 5~10kgを7日(週一)おきに定期的にかん水して下さい。12月上旬以降はアミノキッポ 5~10kgを7日(週一)定期的にかん水して下さい。
☆根っこの活性化と葉の色抜け対策に
・11月中旬と11月下旬に新チャンス液S10kg+メリットM3kgをかん水して下さい。
★降雨、曇天後の天気の良い日はミツバチを飛ばしましょう!
★窒素は天気が続くときに、リン酸は曇天が続くときに追肥しましょう!
◎厳寒期の追肥は、窒素・リン酸・加里の目安は 1:2:1 です
【地温確保のためのかん水管理」
☆毎日かん水は実施しましょう!
厳寒期は通常地温よりも、井戸水の方が温度が高いので、かん水を行なう事で地温が上がります。
毎日なるべく早い時間にかん水を行なって、地温を確保して下さい。
ポイント!
降雪後や曇天が続くときには、必ず毎日かん水を行ってください。
【温度管理について】
・午後の気温をしっかり管理して下さい。目標は日中25℃キープです。
・気温が30℃以上になると生育が低下しますので注意して下さい。
・朝は、ゆっくりした温度上昇と、地温確保のために内張りは早い時間から全開にして下さい。
・日中20℃以下になると生育が停滞し、奇形果や株疲れの原因になります。
・午前中の炭酸ガス施用は、効果が高いので実施をおススメいたします。
※午後の低温管理は、なり疲れの原因です。午後の温度は25℃をキープ!
【温度管理の目安】
早朝~ハウス内温度が20℃以上になったら、内張りを全開にして光を取り入れて地温の確保
午前中~25℃以上まで気温を上げてから換気を行い、午前中は20~25℃で管理するようにする。ガク焼けは、葉水の乾く前に急激に温度を上げすぎると発生します。
午後~午前中よりもやや高い25~30℃で管理する。内張りは、陽ざしのあるうちはなるべく開けておき、光線を取り入れて地温を上げて、夜温の確保に努める。陽ざしのあるうちは、ハウス内の温度を20℃以下にしない。
夜間~8℃前後を確保する。ハウス内の温度が5℃を下回る場合は、午後の温度をやや高めにし、内張りカーテンも早めに閉めるなどのして温度の確保に努める。
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